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兄の秘密
前編

作者:堕天使シュベルトさん


 今日は四葉がお話を進行するデス。

 四葉はこう見えても名探偵デス。だからいつも兄チャマの事をチェキしてるデス。でも、四葉がまだチェキしてないことがあったデス。

 それは2週間前の土曜日の事デス。
 四葉はいつものように兄チャマの寝顔をチェキするために天井裏から兄チャマの部屋に忍び込んだデス。
 確か兄チャマの部屋の時計が7:00を表示してたデス。
 いつもならこの時間ぐらいに誰かが兄ちゃまを起こしに来るデス。
 でも土曜日はみんな少し遅くおきてくるデス。兄チャマも土曜日は少し遅く起きてくるデス。
 だから寝顔が撮れる筈だったデス。

 ところがデ〜ス!

 ベッドの中には誰もいなかったのデス!
 その時部屋の中を血眼になって捜したデス。
 クローゼットの中、ベッドの下、机の引出しの中などなど。でもどこにもいなかったデス。
 それで仕方なしに兄チャマの部屋から出たら、玄関に兄チャマがいたのが見えたデス。しかもなにかを持ってたデス。

 兄チャマが持っていたのは長方形の形のした布製の物体デス。長さは1mより2,30cmは長くって、幅は30cmほどだと目測したデス。

 四葉はそれがなになのか気になって、急いで兄チャマの所にいったんデス。

「兄チャマ!」
「?・・・・・・!!四葉!!お、おはよう。どうしたの、こんな早く?」

 兄チャマはすっごく驚いて玄関の扉にぶつかっちゃいました。
 その時なんだか事件の匂いがしたのを覚えてるデス。
 四葉はそんな驚いた兄チャマの真意をチェキすべく、いつもどおりチェキし始めたデス。

「そんなに早くないデスよ、兄チャマ。ほら、もう7時20デス」

 四葉はそう言って腕時計を見せたデス。

「え、ああ、ホントだ。もうこんな時間なんだ」

 兄チャマは平静を取り戻したように言ってましたけど、名探偵の四葉にはまだ動揺したように見えたデス。

「兄チャマ、何でそんなに驚いてるデスか?」
「え、べ、別に驚いてなんかないよ」

 やっぱり兄チャマはおどおどしながら答えたデス。あきらかに怪しいデス!

「兄チャマ、その手に持ってるのはなにデスか?」
「え、ああ、これは、その、ちょっとコンビニに買い物してきてね。その、買ってきたものがはいってるんだよ」

 兄チャマは嘘が下手デス。兄チャマが買い物行くときはリュックをいつも持っていってるデス。
 それに

「兄チャマ、何でそんなに汗かいてるデスか?」
「コンビニまで走っていったからね」

 挙動不審な兄チャマの声を聞いて、四葉はこう確信したデス。
 兄チャマは何かを隠してるデス。

「あにぃ、ランニング行くんならボクも起こしてくれたらいいのに」

 兄チャマが走ったって言った直後、衛チャマがねらっていたように急に現れたデス。

「おはよう衛。別にランニングに行ってきたわけじゃないんだよ」
「じゃあ何でそんなに汗かいてるのさ?」
「だから、ちょっとコンビにまで走って買い物行ってきたからだって」

 四葉と同じ質問をした衛チャマにも同じ答えを言った兄チャマは、どこか目が泳いでいたように四葉には見えたデス。
 ちなみにこれは兄チャマの癖デス。嘘を言ったら兄チャマは目を泳がせるのデス。

「僕シャワー浴びてくるから」

 そう言って兄チャマは走って兄チャマの部屋に向かったデス。

「四葉ちゃん、あにぃどうしたの?」
「四葉にもわからないデス。でも、絶対何か隠してると見たデス」
「そうだよね。目泳いでたしね」

 ちなみに兄チャマが嘘を言ったら目を泳がせるという癖は、四葉がみんなに教えたデス。その事実を知らないのは兄チャマだけデス。

「ボク達に何隠してるんだろう、あにぃは?」
「大丈夫デス。この名探偵四葉にかかれば、兄チャマの秘密もちゃんとチェキできるデス」

 

 それから今まで以上に兄チャマの事をチェキしだしたんですが、何も収穫がなかったデス。
 次の日も、その次の日も、またその次の日も四葉は6時に起きて兄チャマの部屋に天井裏から忍び込んだのに、兄チャマは特に早く起きてどこかいくなんて事はしなかったデス。
 それにせっかく着替える姿をチェキしようとしたのに、いつもばれてお部屋の外に追い出されるデス。何でばれるんデスかね?
 それと、あの日持ってた黒い布製のものもぜんぜん見つからないデス。絶対兄チャマの部屋にあるはずなのに見つからないデス。どこに隠したんだろう?

 そして次の土曜日のことデス。四葉はいつものように朝の6時に天井裏から兄チャマの部屋に行ったのデス。そしたら先週と同じように誰もいなかったのデス。
 やられたデス!兄チャマは土曜日だけ早く起きてどこかに行ってるのデス。
 そういえば先週の土曜日、兄チャマはヒナチャマと亞里亞チャマと一緒にお昼寝してたのをチェキしたデス。
 仕方なく兄チャマの部屋で隠れてたら、7時ちょっと前に兄チャマが帰ってきたデス。
 クローゼットの隙間から見たら、兄チャマやっぱり汗をかいてたデス。
 それにあの黒いのも持ってたデス。どこに隠すのかな〜と思ってたらクローゼットが開けられたデス。

「四葉、何してるの?」

 なんか一瞬兄チャマが驚いたように見えたデスけど、すぐに青筋が見えたから

「兄チャマの怒った顔をチェキデス」

 っていって写真でチェキしました。そしたらすぐにお部屋の外に出されたデス。
 ううん、せっかく隠れてたのに意味なかったデス。
 でも兄チャマが怒った顔を撮った写真はそう無いですからよかったデス。
 当初の目的を思い出したのは兄チャマが部屋から出て行って数分後のことでした。結局あの黒い物がどこにいったのかわからなくなったデス。

 そしてそれから一週間たった土曜日の今日、四葉は4時半に起きて兄チャマの部屋を屋根裏部屋からチェキすることにしたデス。
 兄チャマはまだ起きません。四葉もまた眠くなってきたデス。
 そう思っていたら、目覚し時計がなるのが聞こえてきたデス。なんだか音が小さくしてるように思えるデス。あ、兄チャマが起きたデス!まだなんか眠そうデス。
 兄チャマが着替え始めたデス。これはチェキせねば。
 ってしまったデス!フラッシュしちゃったデス・・・・・・。
 兄チャマがこっち見たデス。やばいデス。ばれるデス。兄チャマが椅子に登って四葉のすぐ近くの屋根を触りだしたデス。そこは四葉専用兄チャマの部屋進入口デス。ちなみにこの家にやってきた日に作ったデス。
 屋根の一部が取れたデスって兄チャマの顔が出てきたデス。

「四葉、何してるんだこんな所で。しかもこんなに朝早く」

 なんだか不機嫌そうデス。不機嫌そうな兄チャマを見たのは始めてデス。これはチェキせねば。

「不機嫌そうな兄チャマをチェキデス」

 そう言って写真をとったあとの兄チャマはいつもの顔に戻ってたデス。ただちょっと驚いてたようにも見えたデス。それにちょっとだけ怒ったようにもデス

「とりあえず降りといでよ」

 兄チャマはそう言って入り口から姿を消したです。
 四葉も仕方ないから兄チャマの部屋に降りたデス。

「それで、こんなに朝早くから何してたんだい、四葉?」
「もちろん兄チャマのチェキデス」

 四葉は自信を持って答えたデス。そしたら兄チャマが

「いつもこんな朝早くからあそこにいるの?」

 ちょっと拍子抜けしたみたいに、いつものおっとりした口調で聞いてきたデス。

「今日は特別デス。土曜日の朝の兄チャマは行動が怪しいから早くからチェキしに来たデス」
「今日は特別って事は、今日だけしか屋根裏部屋にいなかったんだよね?」
「先週も来たけど、兄チャマもういなかったデス」

 兄チャマは最初驚いた顔をしてたけど、すぐに「ふぅー」って言ってから

「その前は?」

 って訊いてきたデス。
 安堵が気になったけど、兄チャマの質問には答えたデス。

「その前の週も来た時には兄チャマがいなかったデス。そしたら兄チャマが帰ってくるのを見たのデス」
「その前は?」
「それまでは土曜日の朝はチェキしてなかったデス」

 そうなのデス。それまでは金曜日の夜に兄チャマ争奪戦ゲームを遅くまでするから朝なかなか起きれなかったのです。
 でも最近はなれてきたから早く起きれるようになって朝のチェキもできるようになったデス。これが成長というのだと思うデス。

「そっか」

 兄チャマはまた安堵のため息をしたデス。
 これは四葉の探偵としての血を騒がせる行為デス。兄チャマの不敵な挑戦状デスね

「兄チャマ、こんなに朝早くからどこ行くのデスか?」
「え、どこって」
「土曜日の朝だけ早起きしてるデス。これは怪しいデス」

 四葉は兄チャマに近寄ったデス。そしたら兄チャマは後ずさりをしたデス。これはやっぱり何かを隠してるデス。

「わ、わかったよ四葉。誰にも言わないって約束してくれたら教えてあげるよ」

 兄チャマはそう言ってきたデス。あれ?目がなんだか泳いでるように見えるデス。

「本当デスか?」
「ホント、ホント。だから誰にも言わないって約束してくれる?」

 兄チャマの目は泳いでるけど、兄チャマの甘い声に負けちゃったデス。

「わかったデス。約束するデス」
「それじゃ、僕着替えるからちょっと部屋から出てくれないかな」

 そういえば兄チャマはまだ着替えてなかったデス。さっき写真撮ったときはまだパジャマのズボンを下ろそうとしてたときだったデス。
 ちなみにいつもズボンから脱ぐのが兄チャマの癖デス。あの後ズボンを上げて四葉を見つけたデス。だからまだ着替えてないデス。

「大丈夫デス。前の兄チャマの写真で兄チャマの着替えも見ることができるようになったデス。今度は叫んで逃げないから大丈夫デス」
「写真?まさか僕が着替えてるところを撮った写真があるの?!

 しまったデス!うかつだったデス。仕方ないから部屋から逃げるように逃げたデス。
 ドアの向こうから

四葉、写真のデータ消せよ!!

 って聞こえたけど、聞こえなかったことにしたデス。

 あれから5分が経ったけど、兄チャマ部屋から出てこないデス。
 おかしいデス。いつもだったら3分もしないうちに着替え終えてるデス。
 あ、玄関が開いたデス。隠れたほうがいいから隠れるデス。
 兄チャマデス!兄チャマが玄関の向こう側から来たデス。
 やられたデス。兄チャマ、部屋の窓から外に出たデス。
 玄関の見える所にいてよかったデス。
 あ、靴を履いて出て行ったデス。四葉も追うデス!

 外に出たらもう兄チャマはいなかったデス。やっぱり教えるって言うのは嘘だったデス。
 よく見たら兄チャマの自転車がないデス。
 ふふふっ、これは好都合デス。念のために鈴凛チャマから買った発信機を兄チャマの自転車につけておいて正解だったデス。この受信機で発信機の反応を追えば楽勝デス。
 兄チャマ、逃がさないデス。
 この名探偵四葉の手にかかれば兄チャマの秘密はチェキされるデス!

 

 ここは家から自転車で10分ほどのところにある公園デス。
 兄チャマの自転車の反応はここで止まったデス。
 それにしても兄チャマ速いデス。四葉も自転車に乗ってきたけど、離されてばっかだったデス。もっと遠い所だったら危なかったデス。
 兄チャマの自転車が見えたデス。サドルの上にあの黒い物が置いてあるデス。あ、兄チャマもすぐ近くにいたデス。これは少しはなれてチェキするデス。この茂みに隠れるデス。
 あれ?兄チャマ何か右手に持ってるデス。ここからじゃよく見えないデス。離れすぎデス。
 こんな時は鈴凛チャマに改造してもらったこのデジカメの新の力を発揮するデス。
 このデジカメは光学100倍ズームができる代物デス。もちろんこのレンズのオプションをつけなくてはいけないデス。通常は100倍までいらないですけど、遠くから兄チャマをチェキするときや、春歌チャマが剣やなぎなたの練習している所をチェキするときは必要となるんです。
 この家にきて春歌チャマが練習する姿を始めてチェキするときに注意されたのです。

「四葉ちゃん、チェキするのはもうかまいませんが、ワタクシが練習しているときはかなり距離をおいてチェキしてくださいね。でないと気になって写真機を斬ってしまうかもしれませんから」

 って言ってたデス。
 その後すぐに鈴凛チャマに改造してもらったデス。それが兄チャマチェキに役立つ日が来たデス。
 それではレンズをつけて、ズームインデス。やっぱり遠くからもわかるデス。でも兄チャマが邪魔で右手に何持ってるのかわからないデス。
 あれ?左手で右手のものを持ったデス。え、違うデス。右手にまだ持ってるデス。それじゃ左手のは・・・・・・ってあれはデスか?!兄チャマが剣を持ってるデスか!!しかもすごく速く剣をふってるデス。
 右手に持ってるのは鞘なんですね。あ、剣を鞘に戻したデス。・・・・・・抜刀したデス。しかも早いデス!
 ビックリデス。兄チャマが剣を所持してたなんて・・・。春歌チャマだけの特権だと思ってたデス。
 でも、兄チャマそんなこと一言も言ってくれなかったデス。
 兄チャマが刀を鞘に戻して自転車に立てかけたデス。
 なんだか両手を合わせてるように見えるデス。それからそのまま両足を肩幅ほどに広げたデス。
 ・・・・・・すごいデス。兄チャマが空手みたいな事をしてるデス!
 でも四葉は空手をよく知らないからあれが空手なのかよくわからないデス。

 なんとなく兄チャマ強そうデス。でも兄チャマいっつも咲耶チャマには殴られて、春歌チャマにも木製のなぎなたで切られてるデス。気絶した所を2人とも襲おうとしてるみたいデスけど。
 でもよく考えたら気絶したと思ってもすぐにその場から逃げてるデス。

 といっているうちにコンパクトフラッシュの空きがなくなったデス。とりあえず次のコンパクトフラッシュに換えるデス。探偵はいつでも換えを用意しているものなのデス。

 

 あれから6時40分になるまで兄チャマはあんな事をやってたデス。兄チャマが自転車に乗ったのを確認してから四葉も家に戻ったデス。
 家についたら兄チャマはシャワーを浴びてたデス。だから兄チャマのシャワーしてる姿を撮るべくお風呂場に行ったデス。
 ちなみにまだ兄チャマの入浴してるシーン等の写真はまだ1枚も取れてないデス。
 いっつも後もうちょっとというところで兄チャマに邪魔されるのデス。
 だから今日は何とか撮ろうとがんばったデスけど、結局兄チャマに邪魔されたデス。お風呂場のドアを開ける前に鍵がかかったデス。

 とりあえず、兄チャマがお風呂から出てきたから何も知らない振りして兄チャマに聞きました。

「どこ行ってたデスか、兄チャマ?いつのまにかいなくなってたデス」
「え、何の事?」

 べたなボケはやめたほうがいいデスよ、兄チャマ。例え四葉が玄関に兄チャマが現れたのを見てなかったとしても、部屋から出てこなかったらそのうち屋根裏部屋からまた部屋をのぞくんデスから。

「だから、朝からどこ行ってたデスか?」
「え、だから、ちょっとジョギングに」
「あにぃ、ジョギングいくんだったらボクも起こしてくれたらよかったのに」

 いつのまにか衛チャマがやってきたデス。
 衛チャマはちょっと顔を膨らませているデス。

「ごめんごめん。ほら、ちょっと早く起きすぎたからさ。起こすのまずいかなって思って」

 目覚し時計がなってたのは故意だと思うデス。
 でも兄チャマがここまで隠すのだから何かあるに違いないデス。だからみんなで兄チャマの謎を暴くことにするデス。そのためにも時計のことは今は黙ってたほうがいいデス。

 

 兄チャマが出かけた土曜日のお昼、みんなを集めて緊急会議を開いたデス。
 ちなみに鈴凛チャマは兄チャマと出かけたデス。昨日の兄チャマ争奪戦の勝者が鈴凛チャマだったからデス。
 多分、兄チャマのお財布が相当軽くなることが予想されるデス。
 メカ鈴凛チャマがいるから後で鈴凛チャマに今回の会議の内容を教えておいてもらうデス。

「それで、四葉ちゃん。なんなの緊急会議って?」

 そうデス。まだ話をしてなかったデス。
 四葉は今日の朝の兄チャマチェキ報告をしたデス。

「そんなことあるはずがありませんわ」

 四葉の報告を聞いて、まず春歌チャマが反論したデス。

「毎日兄君さまを襲ってますが」

 ・・・兄チャマも大変デス・・・。

「一度もワタクシの攻撃に対して反撃をしてきたことなどありませんわ」

 四葉は物的証拠を見せるために、今日のデジカメの写真をみんなに見せたデス。
 ちなみにメカ鈴凛チャマが白い壁に投影してくれたからみんなはすぐにその写真を見ることができたデス。

「確かに・・・兄くんだね・・・」
「あにぃだね。ってことは朝ジョギングしてきたってのも嘘だったの?」
「そうデス。今日は朝から○◎公園で兄チャマはこういう事をやってたデス」

 四葉は投影された写真を指差して言ったデス。

「それにしても信じられません」

 鞠絵チャマが呟くように言ったデス。

「あのお優しい兄上様が剣を振り回しているなんて」
「ボクも」
「姫がちょっと間違った調理でおいしくなくなったものも優しく食べてくださるにいさまが」

 そういえば白雪ちゃまが試作品といって兄チャマに何か食べさせた後、兄チャマ死にかけた感じで部屋にもどっていくデス。
 やっぱり故意でやってたんですね、白雪チャマ・・・

「でも、おにいたまカッコイイ〜」
「亞里亞もそう思います〜」

 2人の言った言葉に他のみんなも頷いたデス。鞠絵チャマも衛チャマも白雪チャマも頷いてたデス。やっぱりみんなも兄チャマがカッコイイと思ったデスね。

「でも、お兄ちゃま、何でそのこと隠すのかな?」
「そうね。それに本当に強いんでしたら私達が襲ってきたときも反撃するでしょうに」

 一応襲っているということは自覚してたんですね、咲耶チャマ。

「それでは試してみてはいかがでしょうか」
「試すって、どうやって試すの春歌ちゃん?」
「四葉ちゃん、確か毎週土曜日に兄君さまは○◎公園に行ってらっしゃるのですね」
「そのはずデス」
「それなら来週ワタクシが兄君さまの力量をわたくしのなぎなたで試してみればよいことです」

 なるほど、そういうふうにすれば兄チャマが強いかわかるデス。

「でもでも、お兄ちゃま、結構ドジな所あるよ。もし怪我でもしたらどうするの?」

 花穂チャマ、兄ちゃまがドジをするのは、花穂チャマを励ますためにしてるふしがあるデスよ。
 まあ花穂チャマのいない所でドジをしてることもあるデスけど。
 そう考えたら実は兄チャマもドジかもしれないデス。

「もし怪我をなさったときは、ワタクシがおよばずながら看病を。それで兄君さまと・・・・あ、いやですわ、ポ、ポ、ポ、ポ、ポ」

 春歌チャマが妄想の世界に入っちゃったデス・・・。

「そんなことはさせないわよ春歌ちゃん。お兄様が怪我をしたら看病は私がするんだから」

 咲耶チャマが妄想状態の春歌チャマを揺さぶって言ってるデス。

「お兄ちゃんが怪我したら、可憐も看病したいなぁ」
「ドジしちゃうと思うけど花穂も看病したいなぁ」
「怪我をしたときは、姫の栄養いっぱいの料理を食べてもらうですの」
「ヒナもおにいたまの看病する〜」
「亞里亞も兄やの看病したいです〜」
「看病といえばわたくしが適任ですわ。いつもしてもらってますから」
「ボクもあにぃの看病したいよ」
「・・・新しい薬の実験もかねて・・・兄くんの看病はしたいね・・・」
「アニキ様の看病は私が一番適任だと思います」

 とにかく兄チャマが怪我することしか考えられないのデスか?
 それに千影チャマが看病したら、逆にひどくなると思うデス。メカ鈴凛チャマの場合は看病する前にオーバーヒートするのが目に見えてるデス。
 でもここで四葉も名前を言わなければ兄チャマの看病できないデス。

「四葉も兄チャマをチェキするデス」

 この後誰が看病するか、兄チャマが帰ってくるまで口論してたデス。

 

 あれから1週間後の土曜日の朝5時。四葉と春歌チャマ、それに咲耶チャマと衛チャマが○◎公園に来てるデス。

「兄君さまは本当にくるのでしょうか?」
「先週は来たデス。その前もその前もここに来てるはずデス。だから絶対来るはずデス」

 ちなみに春歌チャマは全身を黒い服で覆っているデス。それでいて動きやすいように設計されているデス。
 頭にはフードを被って、顔には仮面をつけることになってるデス。
 仮面は鈴凛チャマ特性のボイスチェンジャーがついてるデス。だから兄チャマに普通にしゃべっても春歌チャマだと悟られることはないデス。
 茂みに隠れてから物の数分経つか経たないかで兄チャマがやってきたデス。
 先週と同じところに自転車を置いたデス。
 あ、兄チャマがリストバンドをはずしたデス。
 実は兄チャマはなぜかいつもリストバンドをしてるデス。
 四葉のチェキによれば寝るときもしてるデス。
 ちなみに予備は6つあって、いつも違う色のを使ってるデス。

 兄チャマが黒い物体から剣を取り出したデス。

「それでは始めましょうか」

 そう言って春歌チャマは仮面をつけて兄チャマのもとに向かっていったデス。
 ちなみに春歌チャマは今まで見たことのないなぎなたを持っていたデス。春歌チャマ曰く

「今までに見せたことがあるなぎなたを使っては兄君さまにワタクシであるということがばれてしまいますから」

 ということだったデス。
 それにしても四葉の知らないなぎなたを春歌チャマが持っていたなんて。今度からもっとチェキしなおさなくてはいけないデス。

「そのような刀を持っているということは、貴殿もかなりの手練とお見受けいたしました。ぜひワタクシと一勝負してくれませぬか?」

 春歌チャマが兄チャマと話し出したデス。
 ちなみに四葉達は茂みの中に隠れて様子を見ているデス。
 それでなぜ聞こえるかって思ってますね。
 実は春歌チャマがつけたお面にはボイスチェンジャーのほかに盗聴器がついているデス。だから遠くにいてもすぐそこのように聞くことができるデス。

「あなた誰ですか?」

 おお、兄チャマがしゃべったデス!
 でもいきなりあなた誰ですかって言うのは失礼です兄チャマ。普通は自分の名前を名乗ってから人に名前を聞くものだと春歌チャマが言ってたデス。

「そんなことよりも相手してくださるのか、それともおめおめ逃げるのですか?」

 春歌チャマが挑戦的な事を言ったデス。
 兄チャマはどうするのでしょうか?ここで逃げるのでしょうか?

「・・・まあいいですよ。そこまで言われたのでは僕も逃げるわけには行かないでしょう。それに、名前なら後で聞けばいいことですし」

 兄チャマが少し後ろに下がって身構えたデス。春歌チャマも身構えたデス。
 これは世紀の瞬間とも言えるデス!しっかりチェキせねばいけないデス。

「どうしたのですか?あれだけ強気な事を言ったのにかかってこないんですか?」

 今度は兄チャマが挑発してきたデス。しかも剣に添えていた左手を剣から離したデス。

「油断は大敵です!」

 春歌チャマはそう言って兄チャマに向かっていったデス。なぎなたの刃の根元の部分からちょっと下のところにある柄の上段部分と柄の中間辺りを持つのが春歌チャマのなぎなた術デス。
 こういうふうに持ったほうが接近戦では春歌チャマは戦いやすいと言ってたデス。
 っと解説している間に春歌チャマのなぎなたの刃が兄チャマの頭めがけて振り下ろされてるデス。
 危ないデス!
 今日春歌チャマが持ってきたなぎなたは鉄製で十分凶器デス。あたれば大怪我物デス!!危ない、兄チャマ!!
 ・・・って思ってたら兄チャマ難なくかわしたデス。しかもかわした直後に来た春歌チャマの柄での攻撃もかわしてしまったデス。いつもの兄チャマなら今のはクリーンヒットしてたデス。
 その後の春歌チャマの攻撃も全部かわしてるデス。

「はぁ、はぁ、あ、あなた、ワタクシを甘く見ているのですか!攻撃をよけてばかりでまったく攻撃してこようという気配が感じられませんわ!それに刀の柄にも手をつけていらっしゃらない。それでは刀は抜けませんわ!もっとまじめに相手してください!ワタクシもお遊びで戦っているわけではありません!それに刀の鞘を右手に持つとはどういう了見ですか!」

 春歌チャマが息を荒げて言ってるデス。対する兄チャマはちょっと汗をかいてるだけで、特に息は荒立てていないデス。

「ああ、ごめんごめん。別に僕も遊んでなんかいないさ。ただ君の動きをちゃんと見て動いてるだけさ。そのほうが倒しやすいからね。それに僕は刀を振るう手は左手だからね。右手に刀の鞘を持ってもおかしくないでしょ」
「なんですって?!」
「そういえば君の動き、僕の妹の動きとそっくりだよ」
「え?!」

 おお、兄チャマが春歌チャマを動揺させてるデス。

「もしかしてなぎなたの同じ門下生なのかな?ねえ知ってる、春歌って子なんだけど」

 Oh my Godデス。兄チャマは単によけてるだけじゃなかったデス。
 このままでは春歌チャマの正体がばれるかもしれないデス。

「知りませんわそんな方」
「そう?まあいいか。それじゃ僕もそろそろ攻撃させてもらうよ。こんなことで時間費やしてられないからね」

 兄チャマ、左手を柄に添えてまた挑発してきたデス。

「くっ、いきます」

 春歌チャマが突進しながら横一線になぎなたをふったデス。
 兄チャマは左手を剣の柄に携えたまま後ろに跳んでよけたデス。

甘いですわ!

 春歌チャマがそう言いつつ右足を軸に回転しだしたデス。そしてもう一度横一線になぎなたをふったデス。しかもなぎなたのリーチを最大限に生かすために柄の一番後ろのほうを持ってるデス。
 兄チャマはさっきに攻撃をよける程度しか後ろにジャンプしなかったデス。
 このままでは兄チャマにあたっちゃうデス!

「甘いな」

 兄チャマが何か言ったようにも聞こえたけどよくわからなかったデス。しかも今兄チャマ笑ったように見えたデス。
 確か死ぬのを覚悟した人は死ぬ間際に笑うって聞いたことがあるデス。もしかして兄チャマ、死ぬ覚悟ができたのですか?!やばいデス!!
 って思ってたらもうなぎなたが兄チャマのすぐ横デス。
 見ていられないデス!
 そう思って思わず下を向いてしまったデス。そしたら

「ギィーーーーン!」

 って音がすぐしたデス。その後に「カンカンカン」という鉄が地面に落ちる音がしたデス。
 だから四葉すぐに顔を上げたデス。そしたら四葉の目にはこんな風景が見えたデス。

 左手には先週見た剣を持った兄チャマが右手を上に上げてるデス。右手には剣の鞘があったデス。
 兄チャマの目の前にはなぎなたを振り切った春歌チャマがいたデス。でもなぎなたは柄しかなかったデス。周りを見たらなぎなたの刃の部分が地面に落ちてたデス。

「君は僕の妹と同じように接近戦を得意としてるみたいだね。でもさっきの技は中距離的な技。確かにあのタイミングで使うのに適した技だけど、接近戦の技を使い慣れてるのにいきなりあれを使っても成功率は低くなってしまう。まあ今回はうまく技は成功したけどね。でも、あの技の弱点まではちゃんとカバーしていなかったね」

「弱点ですか・・・・・・」

 春歌チャマの声がどこか弱弱しいデス。

「なぎなたの刃と柄のジョイントの部分だよ。あの部分は双方をつなぎ合わせるために仕掛けがあるからね。どうしても強度が弱くなってしまう」
「た、確かにそうですわ。ですが、それでも鉄でできた部分。そうやすやすとは切れることはありません」
「でも切れたよ」
「・・・・・・それは・・・・・・」
「まあ最大の落ち度は僕を見くびってたことだよ。それに僕のこの刀は非常に切れ味がいいからね」

 兄チャマはそう言って剣を鞘に戻したデス。

「待ちなさい。まだ勝負は決まってませんわ」

 兄チャマがそこから去ろうと動き出したら春歌チャマが止めたデス。

「やめときなさい。棒術となぎなたの技は微妙に違うはずだから。いつものような攻撃はできないよ。また修行しておいで。君ならもっと強くなれるよ」

 兄チャマが春歌チャマに向き直ってそう言ったデス。

「そうはいきませんわ!」

 春歌チャマはそう言って柄だけになったなぎなたを持って兄チャマに向かったデス。

「・・・・・・まだ実力の差が見れないのか?仕方ないな。手加減するのは今度限りだぞ」

 兄チャマはそう言って振り下ろされた春歌チャマのなぎなたの柄を鞘に入ったままの剣で受け止めて、そのまま春歌チャマに近寄って右手で春歌チャマの肩を殴ったデス。

「うっ!」

 そしてよろけた春歌チャマの仮面を剣の柄で殴ったデス。そのとたん

「ピー――ガチャガチャ!!」

 盗聴器も壊れたみたいデス。仕方ないので春歌チャマのポケットに念のために入れておいた小型の形態盗聴器を使うことにしたデス。

「それでもう柄も振れないだろ。それに仮面を被ったまま相手してくるやつにこれ以上付き合う気はないしな。これ以上俺の朝の楽しみの邪魔をするのなら、この刀のさびにするぞ!ついでに顔は拝ましてもらわないとな。どこの誰と戦ったのかわからないままだったらいやだし」

 兄チャマが始めて‘’って言ったデス。これは記念デス。
 って言ってる場合じゃないデス!すんごい怖い言い方だったデス。それに顔を見られちゃまずいデス。春歌チャマ、逃げるデス。

「待って。顔を見られるわけにはいきません」

 まだボイスチェンジャーの機能は残っている見たいデス。

「確かにワタクシの力不足でした。しかし、ワタクシもこれから修行を積みます。できればまたお相手願いたいのですが」

 こんな切羽詰ったときに春歌チャマは何を言ってるんデスか?!

「・・・まあいいよ。僕は毎週土曜日の朝はここにいるからね。好きなときにきたらいいよ」

 NO――――!!兄チャマもなんでOKしてるデスか?!しかもいつもの優しい声に戻ってるデス。

「よろしくお願いします。それでは」

 春歌チャマがこっちに走ってきたデス。あ、仮面が落ちたデス。兄チャマが仮面を拾ったデス。
 まあもう壊れたものですからべつにいいデスよね。

「撤収いたしましょう」

 春歌チャマが四葉たちが隠れている茂みの横を通るときに声をかけてきたデス。それで四葉たちもその場から離れたデス。

 

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