作者:カッツォ
「はぁ……何だかなぁ……」
我が家を見つめ、彗は大きく溜息をついた。
前回のディファー襲来は、実に被害が大きかった。
風紀委員隊長2人の大怪我に加え、昇神家の半壊。
戦いによって壊れた場所はそう多くなかったのだが、場所が悪かった。
壊れたのは千影の部屋。
そこから逃げ出した様々な生物が、家を破壊しながら出て行ったのだ。
一般に被害が及ぶ前に捕獲はしたものの、昇神家への被害は甚大だった。
「ったく、どうすんだよ……」
そんな折、昇神家に隕石が飛来した。
「……なにぃ!? そんなこと、さらっとナレーションで言ってんじゃねぇよ!」
おかげで、昇神家の損傷箇所はまた1つ増えることとなった。
「何なんだ、いったい……」
象ほどもある隕石を前に、彗はまたも大きな溜息をついた。
その周りには、鈴凛、咲耶、鞠絵も興味深そうに集まっている。
「ね、ね、アニキ。調べてみていい?」
「ん? まぁ……いいんじゃねぇの?」
興味津々の鈴凛は、さっそく隕石に走り出そうとする。
と、鞠絵がその手を掴んだ。
「いえ、待ってください」
「え? 何?」
「兄上様。この隕石、少しおかしくないですか?」
「……何が?」
「これほどの隕石が落ちたにしては、クレーターが小さすぎると思いませんか?」
「あぁ、そういえば……」
改めて見てみると、隕石の周りには、せいぜい5メートル程度の穴しか空いていない。
確かに、これはかなり小さすぎる。
「それに、熱も全く持ってないみたいですし」
「……どういうことだ?」
「おそらくこれは、空中……それもごく近い高さから落とされた、ただの石ではないでしょうか?」
「……ウチへの嫌がらせか?」
「いや、それは……」
『その通りなのら!』
「!?」
辺りを見回すが、誰もいない。
あるのは……あの石のみ。
みなの視線が一点、石に集まった。
『……らっしゃい』
「なんでユリオカ超特Qなんだ! マニアックすぎて誰も知らねぇよ!」
声は確かに石から聞えた。
だが、それよりも皆が思ったことは1つ。
あぁ……今回の敵もギャグ路線か、と。
「で、何だ? やっぱりウチへの嫌がらせなのか?」
『そこが『その通り』じゃないのら! この石についてなのら!』
「……どうでもいいがお前、その喋り方どうにかならんのか?」
『何がなのら?』
「その、『〜なのら』ってやつだよ!』
『あぁ、これは音声の調子が悪いだけなのら。たぶん、落下した時にちょっと壊れたのら』
「壊れるようなもん落とすなよ……ってか、音声の調子ってそんな形で出てくるもんなのか……?」
アホは確定のようだった。
謎の物体襲来による緊張と興奮は、一気にテンションダウン。
「で、お前は結局誰なのら? ……やべぇ、うつってきた」
『ん? 余か? 余は闇の王、エヴィークなのら!』
その喋り方で『余』じゃ、完璧にコメディーだろ……という思いは隠し、話を続ける。
「闇の王?」
『選ばれし民たち……お前らの言葉では、ディファーとかいったか? その者達を従え、世界を征服するのら!』
「へぇ……ようやくそれらしい話になってきたじゃねぇか……」
『なのら』
「……………………」
『……………………』
「……………………」
『……………………』
「……で?」
『え?』
「今日は何しに来たんだよ」
『え? え〜と……自己紹介?』
(……やっぱりこいつはアホだ)
せっかく上がってきたテンションが、またもクールダウン。
ちょっとウンザリした様子の彗の脇を、咲耶がツンツンとつつく。
「(ねぇ、お兄様……さっさと石壊しちゃったりできないの?)」
「(そうしたいのは山々だが……)」
「(じゃあ、早くやっちゃえば?)」
「(いや、でも、こういうのって絶対聞かなきゃいけないイベントなんじゃねぇの……?)」
「(そんなの関係ないわよ)」
「(う〜ん……じゃあ、やるか?)」
「今までのディファーは、全てあなたの部下なのですか?」
「(あ、鞠絵)」
「(あの子、最近おいしい役よね……)」
彗と咲耶がゴニョゴニョやっているうちに、鞠絵が一歩進み出た。
『違うのら。世が送ったのは2人だけなのら』
「……狼の方と鳥の方ですね?」
『そうなのら。それ以外の奴らは、たぶん本能で襲ってきた奴らなのら。ディファーは、基本的に強い奴と戦いたがるものなのら』
「あなたもですか?」
『当然そうなのら。ただ、理性の強い奴らはそれを押さえることもできるのら。余はそういう奴らを集めてるのら』
「で、なぜ世界征服を?」
『……………………』
「……………………」
『……やっぱり闇の王とか名乗るからには、世界征服ぐらいしないといけないのら」
「(絶対アイツ、今考えたぞ)」
「(しかも意味不明ね。やっぱりバカだわ)」
「そうですか……では、」
『おぉっと! もうオヤツの時間なのら! そろそろ失礼するのら!』
「おい! 闇の王がオヤツかよ!」
『なお、お約束通り、この隕石は自動的に爆発……』
「なぬ!? みんな、伏せろ!」
彗の声に、皆が慌てて身を低くする。
だがしばらく待ってみても、一行に何も起こらない。
『爆発……するわけないのら!』
「てめぇ……」
『バ〜カ! バ〜カ! ひっかかったの』
ドガァァァァァァァァァァァン!
カチンときて立ち上がった瞬間、隕石が大爆発。
爆発の威力は押さえられ、音と煙だけが多いものらしい。
全員が真っ黒になって耳を押さえていた。
「……二段オチかよ!」
その時彼らは、絶対に奴らを倒そうと心に決めた。
ここに、歴史上最もヘッポコな戦いの火蓋が切って落とされた……かもしれない。
あとがき
(作):作者 (政):政樹
(作)「どうも、カッツォです」
(政)「政樹で〜す」
(作)「微妙にお久しぶりで〜す」
(政)「笑い事やないな〜」
(作)「さて、今回のお話ですが」
(政)「無視か〜い」
(作)「これまた微妙でしたね」
(政)「毎回言ってる気がするな、そのセリフ」
(作)「う〜ん、次……いや、次の次あたりからはもっと大丈夫かと」
(政)「次は保証せんのかい」
(作)「まぁとにかく、敵も明らかになりましたね」
(政)「すごい強引やな」
(作)「まぁ、ギャグ路線ですから」
(政)「てか今回、ものすごい短ないか?」
(作)「まぁ、ギャグ路線ですから」
(政)「関係あんのか……」
(作)「鞠絵は、最近ホントいい役ですね」
(政)「そうやなぁ……1人だけちょっとマジメにやってるしな」
(作)「この話においてはずっとそういう役割かもしれません」
(政)「なんでや?」
(作)「1人ぐらいそういうのがいないと、話が進みません」
(政)「そうか……」
(作)「ところで、誰かユリオカ超特Qを知ってる人はいるんですかね?」
(政)「まぁ……あるいは1人ぐらいなら……」
(作)「私の喋り方、今回から敬語になったんですよ」
(政)「……話題変えすぎ」
(作)「なんとなくこっちの方がやりやすいんで」
(政)「誰もそんなこと聞いてないし」
(作)「さて、ここで恒例の次回予告!」
(政)「唐突やなオイ! しかも今までそんなんやったことないし!」
(作)「たぶん次回には無くなってます」
(政)「全然恒例ちゃうやん!」
『ついに正体を表した真の敵! そして彗達の前に、新たな強敵が立ちふさがる! 次回W・W第8話、病魔(仮)』
(政)「あんまり予告になってないし! しかも(仮)ってなんや!」
『※一部地域では放映されない可能性があります』
(政)「そんな可能性あんの!?」
(作)「じゃあま、そんな感じで次回もよろしくおねがいしますね」
(政)「しかも流すん!?」
(作)「ほい、政樹」
(政)「あ、あぁ……感想はモチロン、お前ふざけてんちゃうぞ! ってもんまで、何でもいいんで送ってくださいね〜!」
(作)「よろしくおねがいしま〜す!」
カッツォへの感想はこのアドレスへ
1483sy@hkg.odn.ne.jp
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