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「は〜、今日も疲れたなぁ」
 部活が終わり、圭達とも別れて俺は1人で帰路についている。
 …セリフがおやじっぽいとか言うな。


Wild Wind 

第2話  異形の生物

作者:カッツォ


 第1話からは想像もつかないだろうが、俺は『闇省庁特殊任務遂行軍(通称:風紀委員)』総隊長及び0番隊隊長、という地位についている。
 やたらややこしい名前なので、誰も正式名称では呼ばず、『風紀委員』と呼んでいるけど。
 「軍」とか言ってるが実質100人ぐらいで、しかもその過半数が未成年という変わったところだ。
 給料・待遇は良好。おかげで、13人でも十分くらしていける。激烈に広い家もそのおかげだ。
 ちなみにその仕事は『異形生物(ディファー)』の排除。
 ディファーっていうのは、十数年前の隕石の衝突の影響とやらで現れ始めた、なんか気持ち悪いやつだ。
 そいつらが人を襲って危険だっつーんで、『風紀委員』が設立されたってわけだ。
 ちなみに風紀委員はそれぞれの特性によって6つの部隊に分けられているが、俺の0番隊は現在俺1人の部隊だ。
 まあ、俺の戦い方は基本的に単独行動だしな…


「キャー!!」
 突然の悲鳴に、俺の思考は一気に現実に引き戻された。
「この声、どっかで…!?」
 とりあえず悲鳴の聞こえた方向にダッシュする。
 が、悲鳴の出所にたどり着いた俺は、唖然となった…

 そこには、狼が気色悪くなったようなやつ10数匹が、女の子に襲い掛かっていた。
 明らかにディファーだが、この手のやつらにしては数が多い。
 が、俺が驚いたのはそんなことじゃない。

「キャー!」
  ドゴッ
「イヤー!」
  ズシャッ
「誰かー!」
  バコッ

 …そこにいたのは、悲鳴をあげつつも的確に相手を倒している少女…咲耶だった。
 そういや昔、咲耶に格闘技教えたこともあったな…
 でもあれって、せいぜい痴漢撃退法ぐらいのもんだぞ?
 それから自己流であそこまで強くなったのか…もしかして俺より才能あるんじゃないか?
 
 結局俺が手を出さないまま、数分もたたないうちに全滅させてしまった…
「はぁ〜、すっきりした!」
「すっきりしたってお前…」
「あら、お兄様 。いたの?」
「あ、ああ…」
 やばい…また俺の見せ場がなかった…このままじゃ、俺はただのボケキャラじゃないか…


「きゃ〜!」
 俺が自分の立場について真剣に悩んでいると、またも悲鳴が聞こえた。
「この声は…今度は雛子か!? まずい!」

 うちの妹の中でも、咲耶・春歌・千影なら、さっきのようにザコぐらい簡単に倒せる。
 衛・鈴凛・可憐も、戦うなり逃げるなりできるだろう。
 四葉は逃げ足バツグン。
 白雪は包丁、鞠絵は変なクスリをいつも持ち歩いているし、花穂には特殊コマンド『ドジ』(なぜかこういう時には好転する)がある。
 …こうして改めて見ると、うちの妹ってすげぇな…いろんな意味で。
 だが後の2人、雛子と亞里亞はまずい! 
 あの2人は対抗手段を持ってない上、小さいから狙われやすい!

「くそっ!」
 俺はさっきの50倍(当社比)の速さでダッシュした。
 当然、普通の人間が出せるスピードじゃなくなってるけど。


「雛子!!」
「あ、おにいたま〜」
「無事か?」
「うん、オオカミさんたち、かわいいよ」
 …やばい理由が、もう1つあった。
 小さい頃から俺がディファーに関わってたからかもしれんが、雛子と亞里亞はディファーに対する警戒心がいまいち薄い。
 そういや、さっきの悲鳴もやけに嬉しそうだったよな…
「やっかいだな…」
 そこにいるのは、またしても狼のようなディファー。
 さっきより数は少ないものの、雛子を完全に包囲する形になっている。
 雛子が恐がっていようがいまいが、危険なことに変わりは無い。
 さっきより数が少ないとは言っても、そこそこの数。一気に倒すのは難しいな…
 しかもこの距離じゃちょっと遠すぎる。
 俺が助ける前に奴らが雛子に襲いかかるだろうな…
 いや! それよりなにより、せっかくの見せ場が無くなってしまう!

「よーし、いっちょやるか!」
 折角の見せ場、ちょっとはカッコイイ所も見せんとな。
 というわけで、俺は精神を手に集中させ始めた。
「はぁぁぁぁぁ!」
 すると、俺の手に周りの空気が集まってくる。
 俺はその風にさらに精神を集中させ、ディファーに向かって手をかざす。
「いくぞ…無血流・千風閃(ちふうせん)!」
    シュバババババ!
 俺の手から無数の風の帯が現れ、次々とディファー達を切り裂いていく。
 これが俺の戦い方。総合戦闘術・無血流(むけつりゅう)の力だ。
 ディファー達は反応することすらできす、次の瞬間には全滅していた…
「ガァァァァ!!」
 と、思ったら、1匹取り逃していたようだ。
「ちっと力抜き過ぎたか…」
 俺は再び手に精神を集中させ、風を集める。
 やがてそれは1つの形をとりはじめる。
 俺の武器…剣の形を。
「冥土の土産に見てけ。これが俺の愛剣・風刃(ふうじん)だ!」
 いつでもどこでも取り出せるという、非常に便利な剣だ。
 そしてその剣で、目の前まで迫っていたディファーを切り裂く。
 ディファーは危険を察知する間もなく、真っ二つになった。

「お仕事終了、と…」




「大丈夫か、雛子?」
「うん、ありがとう! おにいたま!」
 一応自分が襲われてたことはわかっていたらしい。
 でも、お礼を言うぐらいならもうちょっと緊迫してて欲しかった…
「さすがね、お兄様」
 いつの間にか横に咲耶が立っていた。
「あれ? 何でここにいるんだ?」
「ひどいわよお兄様! 私をおいて走って行っちゃうなんて!」
 あ…忘れてた…
「忘れてたの?」
「いいい・いや! そそそそ・そんなことはないぞ!」
「そうよね! お兄様が私のこと忘れるわけないわよね!」
「はははは…」
「うふふふ…」
   ボコッ!
「いで〜!!」
「忘れてた罰よ!」
 ばれてたんかい…
「と・とにかく帰ろうか…」
「「は〜い」」


「くく…あれが無血流か…」
 俺達の背後で黒い影が飛び去っていった。
 だが俺は妹達に気をとられ、気付くことができなかった。
 己を狙う、不吉な陰に…




あとがき
作:作者 四:四葉
(作)「どうも、カッツォです!」
(四)「四葉デス!」
(作)「むう、ちょっと長編っぽいな」
(四)「最後に微妙なシーンが出てきたデスね」
(作)「しばらく関係無いけどな」
(四)「じゃあ入れる意味ないデス!」
(作)「それにしても、今回は説明が多かったな」
(四)「解りにくすぎデス! もっと自然に説明できないんデスか?」
(作)「ははは、無理無理」
(四)「(この作者は・・・)仕方ないデス、ここでちょっと補足説明入れるデス」
(作)「ああ、頼んだ」
(四)「兄チャマが所属する風紀委員は、簡単に言えばディファーを倒すための機関デス。ホントは長い名前があるけど、誰も使ってないデス。四葉も正式な名前は忘れマシタ」
(作)「うん、作者も忘れた。で、ディファーっていうのは、隕石の影響で遺伝子が変化した動物だな」
(四)「ついでに兄チャマの『無血流』の説明も入れるデス」
(作)「じゃあ、そっちは設定資料で」
  無血流(むけつりゅう)
 古来より伝わる戦闘術。
 剣術だけでなくたいていの武器を扱うが、彗は主に剣を用いる。
 その戦い方で特筆すべきは、風を操ること。
 風を様々な形で利用することができる。
 その使い方は多様であり、ほとんどがその場の工夫次第である。
(作)「って感じかな」
(四)「なんとも曖昧デスね」
(作)「ん〜、今全部言っちゃってもね」
(四)「まあ、それもそうデスね。それよりも…」
(作)「ん?」
(四)「四葉の出番は?」
(作)「しばらく予定なし」
(四)「え゛〜! なんでデスか〜!?」
(作)「う〜ん、あと2話はオリキャラメインっぽくなっちゃうからな〜」
(四)「四葉達の出番がないんじゃ意味ないデス!」
(作)「一応は出してるんだけど…」
(四)「一応ってなんデスか! 今回も少なすぎデス!」
(作)「まあまあ、その次からは出すからさ」
(四)「当たり前デス!」
(彗)「おい! だからあとがきでスペースとりすぎだって!」
(作)「またか!? 四葉!」
(四)「はいデス! 感想はモチロン、ふざけんじゃないデス! っていうものまで何でもいいので送って欲しいデス。ただし、ウィルスなんかは送っちゃイヤデスよ!」
(作)「うし、じゃあ今回はこの辺で」
(全)「「「次回もよろしくお願いしま〜す!」」」




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