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「――亞里亞、誕生日プレゼントに何がほしい?」
「うーん……いっぱいショコラが食べたいです?」

---その言葉で、それは始まった---


                                                      パ   テ   ィ   シ   エ

激闘、お菓子職人!!

作者:Prof.ヘルさん


「――さぁ、いよいよ第1回ショコラ作り王決定戦のスタートです! 実況“亞里亞様のじいや”こと新井蔡香と、解説は“兄や様のじいや”こと地居屋維路、ゲストに本日の主賓亞里亞様、でお送りいたしますっ!」

巨大ディスプレイをバックに、なぜか張り切りモードの亞里亞と航のじいやども、それに少しぼんやりと亞里亞が座っている。
と、維路がどうでも良いところに突っ込む。

「……というか、二回目があるんですかな?」
「禿頭じじいの発言は無視して、それでは、各チームの紹介です!」
「……おい。」

その発言を蔡香は完全に無視して、チーム紹介に移った。

「チームは3人一組で構成されています!
第一チーム! 咲耶・可憐・鈴凛チームですっ!
第二チーム! 千影・花穂・雛子チームです!
第三チーム! 鞠絵・四葉・衛チームです!
第4チームは、2人で春歌・白雪チーム!
そして特別の第五チームは、ある意味一番不幸な海神航、謎の使用人神威陽月のチーム!
以上5チームで行われます! 維路さん、どうでしょう?」
「やはり、第4チームの白雪・春歌チームが優勝候補でしょうね」
「そんな赤ん坊にも分かること言ってるじじいは放っておきまして」

これまた発言を一蹴し、言葉を続ける蔡香。

「ライブがつながっています! リポーターの小日向くるみさん?」

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「はいはい、こちらくるみです! 各チームは、既に準備万端のようです」
『くるみさん、各チームの意気込みを聞いてみて下さい!』
「了解ですっ」

異様に大きいマイクを両手に抱えながら、才色兼備のお嬢様は駆け出す。ほどなく、第一チームの前の、咲耶の前に到着した。

「まずは第一チームのリーダー咲耶選手に窺ってみたいと思います! 咲耶選手、勝算はありますか?」

ごンッ!!
「ぐフッ!!」

突き出したマイクが咲耶の下あごにクリーンヒットし、おもわず噛んでしまった舌を押さえて仰け反る。後ろの可憐と鈴凛が慌ててそれを受け止めるも、勢い余って三人とも倒れてしまう。。もちろん、マイクを突き出した当の本人は自分に原因があることなど全く気付かず、

「倒れるなんて、縁起が悪いですよ♪ では、次行ってみましょう」

いぶかしむ様子もなくあっさり次のチームへ向かう。
咲耶はだいぶ痛かったようで、涙眼で舌をつき出していた。

「第2チームのリーダー千影選手、どうですか!?」
「フッ…………もちろん…………私たちが、優勝賞金はいただくよ…………」

華麗にマイクをかわし、咲耶のほうに少し哀れんだ視線を投げかけたあとに、淡々と抱負を語る千影。カメラ目線はばっちり。

「すくなくとも…………マイクがかわせないような人たちには………負けたく――」
「第二チームはやる気まんまんなようです! では次行ってみましょう!」

話の途中でマイクを奪われ、不満げな目線でくるみを見る千影。だが、くるみは全く意に介せず、第3チームの方へいく。

「では、第3チームに伺ってみましょう。勝機はありますか、鞠絵選手」
「何とか今のところ大丈夫みたいです」
「病気は支障なく、今のところ正気を保っているそうでこれは期待できそう……ってなんでやねん!」

華麗なノリツッコミを披露するくるみに、鞠絵が言う。

「キレがまだまだ足りませんよ」
「そうか、キレかっ! ……て、なにがやねんっ!!」

どこからともなく取り出されたハリセンがうなり、鞠絵の頭を直撃する。

「……第3チームは、ボケができるほど余裕なようです。では、第4チーム行ってみましょう。どうですか? 春歌選手」
「もちろん、いただきですわ。ワタクシが華麗にチョコレートを和風に……」
「ちょっと待つですの! チョコレートを和風だなんて、邪道ですの!」

なぜか、メイドの格好をしている春歌に、同じくメイドの格好をした白雪が喰って掛かる。

「チョコレートは洋菓子。これ、自然の摂理、ですのっ!」
「それを敢えて和風にしようという、『和』の心がわからないだなんてッ……白雪ちゃん、まだまだ修行が足りませんわ」
「……それはあとで話し合ってくださればいいんですけど、何でメイドの格好なんですか?」
『メイドじゃなくてウェイトレスッ!!』
「……だそうです。どうも第4チームはチーム方針に乱れがあるようです。では第五チームへ。どうですか、航選手」
「え…まぁ、がんばります」

どこかおどおどした感じで、航は言った。

「んー、妥当な回答ですがつまらないですねー。これならキヨタカの野郎のほうが……コホン。以上、スタート地点から小日向くるみでした♪」

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航は必死に思い出そうとしていた。なんで、いきなりこんなことをしているのかを。
(確か亞里亞ちゃんがチョコレートを食べたいって言って……)
そう、そうしたら蔡香さんが『なら、皆さんで作って下さい』、『もちろん賞品が出ます』と言って……………いつのまにかこうなっていた。
横の陽月を見る。陽月はなにやらやる気のようで、マイクに向かってやれ『牛乳を十勝平野から運んで来い』だの『最高級の砂糖を』だの『当然箸は“ひのき”だ』だの『フランスから職人を拉致して来い』だのとしきりに指示を出している。
と、陽月が航の視線に気付いて、向き直った。
「材料調達はお任せを。すべて最高級のものを用意します」
「あ、うん」
やたら大げさに頷いて、陽月は再び謎のマイクに向かって命令を出した。
「なに? ピエールが渋った? 卿を出して交渉しろ。……卿がいないだと? 役に立たないやつだ」
(ピエールって誰だよ...)
まぁ、もう、どうでもいいのだが。

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「では、ここでルールの確認でス。
一、与えられた時間、2時間以内に、チョコ-レートを作れ。
一、審査は、亞里亞様によって行われる。
一、卑劣行為はなるべく慎むこと。以上三点を守って下さい」
「……卑劣行為って……具体的になんなんですか?」

ぎょっとした様子で、維路が尋ねた。だが、

「では、これよりスタートです。全員用意できましたか?」
「おい……。」

全く眼中にない様子で、蔡香が言った。だが、誤算があった。

「チョコレートって言うのはなぁ、甘さがあればいいんだよ! それにやっぱブラックに限るな。ホワイトチョコレートなんちゅーものは邪道だっ!」

びしィ!
カメラに向かって身を乗り出し指を突きつけ、維持が吠えた。

「あ、あの維路さん?」
「いいかぁ、よく聞け愚民どもっ! チョコレートってのはな、それはそれは奥の深い食べ物なんだぞっ! 栗きんとんに匹敵するんだっ! そこら辺分かってるな!? いいか、和風だの、洋風だの、そんなことはどうでもいいんだよ! ショコラなんてなぁ、ハイソな言い方しなくてもいいんだよっ! 日本人を舐めてるのかっ!」
「維路さん!?」
「うっさい! チョコレートにかける情熱を、俺がこんだけ熱く語って……おい、なんだお前らはっ!」

突如ディスプレイの裏から現れた警備員風の2人の男が、暴走する維路を羽交い絞めにする。

「離せぇ〜っ!! 俺はチョコレート食い続けて云十年の地居屋維路だぞぉーっ!」

じたばたと暴れるが、やはり年老いてるせいか、多勢に無勢なのか、2人組みの警備員に連れられてゆく。

「離せっ!! まだ話したりんっ! これからがいいところ……ぉ……っ!」
ぷちっ!
「……………………」


何かが切れる音がして、維持がおとなしくなる。これ幸いと、警備員が二人がかりで持ち上げてそれを画面の外へ運び出す。

「…………た、大変失礼しました。では、これより、競技スタートですっ!」

パァン、と銃声が響いた。ついに、至上稀に見る、チョコレート作り決定戦が開幕したのだ!

「亞里亞の出番は……?」

…………。

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『第一チームの行動』

「咲耶ちゃん、どうするの?」
「もひろんうへによひをはへて……」
「あー、ダメダメそんなんじゃ」

いまだ舌が痛む咲耶が可憐に返答するのを遮って、傍観していた少女が2人に話し掛ける。

『鈴凛ちゃん』
「何か秘策があるようね」
「あの2人には腕でも、奇抜なアイディアでも敵わないわ。なら、他のところで勝負するしかない……」

正確だが、冷酷というか残酷というかそういう評価に2人は『酷い』と呟いた。

「どこで勝負するのかしら?」
「そ・れ・は!」

鈴凛は、自分の背後に控えていた物体に掛かった黒い布を取り払った。

「じゃじゃーん☆ 鈴凛ちゃん特製『チョコ作製機』! これさえあれば、どんなチョコだってお手のもの! スイッチ一つで全自動よ……って、どうして2人とも私の説明を途中から聞いてないのよ」
『だって……ねぇ』
「なんなのよ!」

2人は、顔を見合わせるだけで分かったのに、自分だけわかってないのがなんか嫌だったらしい。

「とにかく、泥舟に乗ったつもりで私に任せなさい」
『ダメじゃん、泥舟って』

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『と、第一チームはこんな感じよっ♪』

モニターの向こうで、小日向くるみが言った。

「亞里亞様」
「亞里亞…あれほしい…です……」

亞里亞が指差したのは、『鈴凛特製チョコ作製機』。

「…………。」

じいやは、何とか引きつる顔に笑顔を貼り付けると、

「あ、あんなスイッチ押しただけで爆発しそうな機械はだめですよ」
『どンっ!』
「・・・・」
『すごい、どうして爆発するのが分かったの?』
「ま、まぁ、その……」

感心したように尋ねるくるみに視線を合わせないようにして、蔡香は答えた……。

「亞里亞、早く食べたい……」

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『第二チームの行動』

「千影ちゃん、どうするの?」
「千影ちゃん、雛も作るっ♪」
「………………」

千影は考えた。この2人で勝てるだろうかと。
ちらりと横目で、先ほど爆発した方を見る。黒コゲになった鈴凛が、咲耶に怒鳴られて、萎縮している。可憐の姿が見えないが……おそらく気絶してるのだろう。

「ちょっと忘れ物をしてしまったみたいだ…………悪いけど、花穂ちゃん、雛子ちゃん………砂糖のパウダーを……買って来てくれないかな…………」
『はぁーい!』

体よく厄介払いをした千影は、机の下にもぐって、そこに魔法陣を描く。

『父上、チョコを作って下さい…………。』
『は?』
『ですから、チョコを…………このままでは、負けかねません…………』
『何の話か分からんが…………とりあえず、食料長に頼んでみる』
『お願いします…………』
『こんなときだけ頼らんでくれ』

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『第二チームは、千影が机の下にもぐったりして、何かしてるわよ』
「あの人は、言動が少し意味不明ですからね……」
「亞里亞は、千影ちゃん好きです◇ でも、兄やは、もっと好き◇」

気になったことがあって、蔡香が亞里亞に尋ねる。

「亞里亞様、私は………?」

「…………一番嫌い」

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『第3チームの行動』

「四葉が情報をチェキして!」
「ボクがそれを取りに行き!」
「ミカエルがチョコを作るのですね」
『そうそう、ミカエルのシッポでかき混ぜて、そのときでるエキスが隠し味で……ってちゃうねんっ!』

二人同時のツッコミを胸に受け、鞠絵が悶絶する。

「か、隠し味云々まで期待してませんでしたよ?」
「………き、気にすることないデス。では、四葉がちゃちゃっとチェキチェキチェキよっ!」
「ボクはいつでもスタート準備オーケーだよっ、四葉ちゃん!」
「わたくしも、ミカエルに乗って、準備万端……」
『いざ、マイアズマを倒しに……ってそれは話が違う(☆1)でしょっ!』

ずぎゃーんっ!

突っ込みを受け、落馬→喀血のコンボにはまる鞠絵を尻目に、四葉と衛は走っていった。

「わたくしがなべ番してますよー! こほっ」

口元の血を拭いながら、鞠絵が言った。

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『まだまだ、キレが足りないわね……』
「何のキレですか……」

なぜか腕組みをして、うんうんと頷くくるみに、蔡香は言った。

「……だんだん、心配になってきましたわ」
「亞里亞……早く食べたいの……」

本当にものほしそうに、亞里亞が呟いた。既に指をくわえている。蔡香が“じいやっぷり”を発揮してそれを止めさせる。

「つぎは本命ですから、亞里亞様、我慢して下さい」
「ぶぅー」

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『第4チームの行動』

「……白雪ちゃん、ここは、いざ、尋常に、お菓子作りで勝負!」
「望むところ、ですの! 絶対、負けない、ですの!」

メラメラメラ!(決してDQのじゅもんではない) 2人のバックで、炎が燃え上がるのを、確かに見た人も……いるかもしれない。
すくなくとも、二人の目に宿った炎は間違いない。

「……白雪ちゃん…………『和』の心、思い知らせて差し上げます!」
「望むところですの! ……って言うか姫は日本人ですの

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『……チームじゃないわね……』
「そのとおりね………」
「じいや…お腹すきました…くすん」

亞里亞の我慢は限界に達している。蔡香は焦りながら、

「つ、次は兄や様です。まだ我慢できますよね、亞里亞さま」

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『第五チームの行動』

ごぉぉォォ……!!!

突如、何もないにもかかわらず、航と陽月の上空から突風が吹き始めた。

「こ、これは……!?」
「ふむ、時間より5分遅れましたが、どうやら到着したようです」
「到着って何が……っ!」

かなりの大声で言ったつもりだったが、どうやら陽月には聞こえてないようだ。それほど、突風は凄まじさを増している。
と。空中から唐突に人が現れた。

「…………。」

突風から身を守るのも忘れ、しばし呆然とその人物を見た。その男はいわゆるシェフの格好をしており、自分の後ろの空間から荷物をほおり落とすと、航の視線に気付いて、にぃ、と笑い、空中から飛び降りた。

「ボンジュール、ムッシュ!」

と片手を上げる謎の男……なんというか、どうも似非フランス人という感じが漂う空中からすごい音を背にあらわれたその男は、異次元の住人といわれても差し支えないようだった。
音が遠ざかっていく。そして、呆然としている航の横で、陽月が呟いた。

「しまった、フランス語の通訳を頼むのを忘れていたな……」

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『空中から出てきたんだけど……』

呆然とした声の口調で、くるみが言った。同じように呆然とした口調で、蔡香が相槌を打つ。

「でてきましたね……」
『宇宙人?』
「伊勢海神……もとい異世界人?」
「伊勢海神でも、異世界人でも、亞里亞にチョコをくれるならいいです・・」

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「さぁ、各チームのチョコレートが出揃いました!」

くるみが、カメラに向かってリポートする。

「さぁ、チョコを紹介していきましょう! 第一チームのチョコは……これです! 差し出されたのは……差し出されたのは……な、なんですか、これ?」

おもわず、くるみが尋ねる。
それは、▲▲▲で◆◆◆◆で、○○○な物体で、おおよそチョコレートには見えない。

「多分チョコ……」
「だ、だめですよっ、こんな▲▲▲で◆◆◆◆で、○○○な物体、亞里亞様に食べさせられませんっ!」

蔡香が、鈴凛の手から『物質A』を剥ぎ取って、亞里亞がものほしそうに見つめるも、ゴミ箱直行。

「き、気を取り直して、第二チーム。千影さん、どうぞ!」
「フフフ…………自信作だよ…………」

千影が持ってきたのは、白いパウダーの乗ったチョコだ。これなら大丈夫、と思いつつも、蔡香は念のため、毒味してみることにした。

「……しょ、しょっぱいんですけど……」
「な、そんな馬鹿な…………」

千影は詰め寄り、それを奪い取り、一口かじった。……だめだ、申し分なくしょっぱい。

「花穂ちゃん…………いまどき砂糖と塩を間違えるなんて…………反則だよ………?」
「ご、ごめんなさいっ」

再びゴミ箱逝き。やはり亞里亞がものほしそうにそれを見つめいている。よほど空腹のようだ。

「き、気を取り直して第3チームどうぞ!」
「はい、どうぞ」

鞠絵が鍋を運んでくる。……鍋?

『…………』

一同は、それを覗き込んで固まった。色が茶色いのはいいのだが、どうして『あ゛ー』とか『う゛ー』とかいう“声”が聞こえるのだろうか? で、その鍋からでている“手”らしき物体はなに?

「こ、これは……?」
「四葉が最後にチェキしたときは普通だったんですケド……」

四葉があさっての方向を見つつ、いった。
と、細い手が鍋の両側をつかんで持ち上げ、口元に引き寄せて、一気に飲み干す。……亞里亞だ。
一同は、そののみっぷりにあっけに取られるほかない。カラン、と音を立てて、四葉の手からルーペが落ちた。
次に鍋がおかれたとき、中身はすべてなくなっていた。

「まずい、です。もう一杯!」
『青汁か!』

全員の声がハモった。……“手”らしきものがなんだったのか、という問題はこの際考えないでおこう、というのが満場一致の解釈だった。だが、

「もう一杯ですか? もちろんありますよ。なにしろ、自信作ですから」
『もう一杯あるのか! ……って、自信作かよっ!』

亞里亞を除く全員のツッコミにより、鞠絵は轟沈した。
当然、もう一杯のやつは、廃棄処分。亞里亞もさすがにもう飲みたくないらしい。

「で、では第4チーム、どうぞ!」
「…………」

小日向くるみが言う。だが、それに対する返事がない。

「……春歌、白雪?」
「そのぅ、実は……」

いぶかしんで尋ねるくるみに、春歌が渋々と言った感じで答える。

「ちょっと、戦争がありまして……」

よく見れば、白雪・春歌ともにチョコ塗れであった。

「そのぅ……完成したものを………壊してしまったので……」
「じゃあ、棄権ですね」
「はい、ですの……」

しょぼん、と2人して俯いている。どうも、かなりの応酬があったようだ。

「では、第五チーム行きましょう」
「これです、『ピエールスペシャルデラックス……《中略》……ショコラです」

長い名前の割に、案外普通のチョコレートだった。

「亞里亞、こっちに」
「はい、兄や」

航に呼ばれ、寄っていく亞里亞。

「はい、あーんして◆」
「あーん◇」

パクッ!

「おいしい◇」
(僕が作ったわけじゃないんだけど)

どうやら、亞里亞は喜んでいるようだ。それなら、ピエールなんてどうでも良い。

「亞里亞、兄やに賞品を…上げちゃいます…。兄や、ありがとう◇」

チュ!

亞里亞の小さい唇が、航の唇に重なった。


後日談。
航曰く『チョコレートの味がした』とのこと。このあと、彼は唇と唇だったせいで妹たちから追い掛け回されるのだが……それはまた、別の話。


後書き:気象精霊記的『プッツン岸尾氏』

まず初めに。
シスパラ様の合作掲示板の方で、ワタクシ企画を立てました。興味ある方は、書き込むか、ワタシまでメールを下さい◆

続いて。
ありがとう、そしてごめんなさい。時間がないせいで、このような中途半端なできになってしまいました……。
それでも、もしここまで読んでくださったなら、どうもありがとうございます◆ 今まで書いたのとか、これから書くものも読んでいただければ、これ幸いの至り◆ 感想までいただければ、最上の幸せデス♪ …………亞里亞の登場シーンが少ないのは許してください。

続きまして。
……読んでる方はご存知だと思われるプッツン岸尾氏。
こんなキャラを、一度書いてみたい、と出会った瞬間、思ったりしたのは自分です。清水文化先生、最高です◆ 気象精霊記、面白いです。

新井蔡香はオリキャラです。ビジュアル的なイメージとしては、ゲーム版の“じいや”だと思って下さい◆

今回は少し遅れてしまいました。うぅ、まだまだレベルがひくうございます。

こんな亞里亞BDSSでもなんでもないシロモノに感想・アドバイス・批評いただけると嬉しいです◆ その際は是非マイシスを教えて下さい。なぜかと……今は気にしなくて良いです、フフフ◆
全く以って、いつものとおり謎の後書きでした。

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☆1:『Destiny Wizards』のこと。読んだことない方は、この際読んでくださると嬉しいです◆


Prof.ヘルさんへの感想はこのアドレスへ
profhell@infoseek.jp

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