「……あのさ、春歌ねぇ。何やってんの?」
「あら、衛さん。見てわかりませんか?」
「大量の短冊に『兄君さま』って書いて片っ端から濃硫酸に放り込んでるようにしか見えないんだけど」
「ちゃんとわかっているではありませんか」
「いや、その行動の意図がわからないんだって!」
「春歌ねぇたま!」
「姉や……」
「はい、なんですか?」
「場面転換する前にさっきの行動の意味を教えてよ!」
「恋のおまじないです」
「むしろ呪いに近かったっていうか呪いそのものだったけど!?」
「ありり?」
「衛姉や……?」
「え? な、なに? 二人とも、ボクのことじっと見て……」
「なんで衛ねえたまがここにいるの?」
「あら、そういえばそうですね」
「亞里亞、わからないの……くすん……」
「え? え? なんで? ボクがここにいちゃいけないの?」
「前に2回も出てるのに」
「強欲なの……?」
「少々いやらしいですわ」
「何の話してんのさ!」
「春歌ねえたま、遊ぼ!」
「亞里亞も……」
「唐突に戻った!?」
「はいはい、何をして遊びましょう?」
「ヒナね、ヒナね……フランス革命後の恐怖政治によって何百人もの人が処刑されていた頃に、内科医で国民議会議員だったジョゼフ・ギヨタンが、受刑者に無駄な苦痛を与えずしかも全ての身分が同じ方法でできるような『単なる機械装置の作用』により処刑を行うよう議会で提言した結果、1972年4月25日にフランスで正式で認められた処刑道具による処刑が見たいな!」
「長いよ! 遊びじゃないし! ていうかどこの知識!?」
「亞里亞はギロチンがいい……」
「表現があからさまになっただけだよ!」
「わかりました。では、それにいたしましょう」
「やんの!?」
「ちょうどワタクシが持っていることですし」
「なんで!? 何に使う用!?」
「ワ〜イ! 衛おねえたまをショケイだ!」
「しかもボク!?」
「きっと、姉やなら大丈夫……」
「全く全然これっぽっちも大丈夫じゃないよ!」
「亞里亞ちゃんの言うとおりですわ。衛さんは普段から体を鍛えてるんですから」
「いや、人間どれだけ体を鍛えても首切られても大丈夫なようにはならないから!」
「早く殺ろうよ!」
「字がおかしいって!」
「亞里亞、楽しみ……」
「では、用意しますわ」
「本気でやる気だよこの人たち!」
「セッティング完了です」
「早っ!」
「あとは姉やを置くだけ……」
「ほら、こっちだよ!」
「強い強い強い! なんで二人ともそんな力強いの!? いや、やめて! ストォップ!」
「はい、ちゃんと手足をコーソクしたよ」
「準備完了なの……」
「いやシャレになってないって! あ、わかった! これ手品だよね!? ボクの首すり抜けるんだよね!」
「ほほほ……」
「その笑いは何の笑い!?」
「ちなみに、ここはホンモノだよ?」
「キュウリがスパスパ……」
「ホントだ! 刃は本物じゃん!」
「それでは、そろそろいきますよ? 準備はよろしいですか?」
「よろしくないです!」
「いくよ〜? じゅう! きゅう! はち!」
「ゼロ……」
「お決まり!? う、うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「あら」
「わ〜! すごい!」
「やっぱり衛姉やは大丈夫……」
「な、なんとか避けられた……」
「くししし! ひっかかった〜!」
「ちょっとしたジョークなの……」
「本気でギロチンなんてやるわけありませんわ」
「避けなかったらマジで死んでたよね!? ギロチン地面にめり込んでるよ!」
「じゃあね、じゃあね。ヒナ、次はテウチを見たいの!」
「うどん! うどんの話だよね!? あ、そばかな!?」
「無礼者を手討ちにするの……」
「やっぱそっち!?」
「では、僭越ながらワタクシが……」
「だからなんでホントにやろうとすんの!?」
「ワ〜イ! またひっかかった〜!」
「やっぱり脳みそまで筋肉……」
「本気でそんなことするわけありませんわ」
「なんでそう言いながら刀構えんの!? ていうか亞里亞ちゃん何気に酷いよ!」
「ヒナもやる〜!」
「銃は反則だと思う今日この頃!」
「亞里亞も……」
「何それ銃!? もはや何なのかすらもわからないよ!」
「物質消滅装置……」
「すごい簡潔かつ明快なネーミング!?」
「ばんば〜ん!」
「かわいいこと言ってるけど実弾じゃん!」
「ばきゅーん……」
「ホントに消滅しちゃった!?」
「隙あり!」
「なんでコンビネーション攻撃とかしてんの!? 本気で殺る気満々!?」
「ありり? 弾なくなっちゃった……ばん! ば〜ん!」
「リロード早っ! 何!? プロの殺し屋!?」
「エネルギー切れなの……くすん……ばんばーん……」
「お菓子!? 今お菓子入れたよね!? それ未知のエネルギーで動いてるよ!」
「では、ワタクシも……」
「いや、そっちは弾切れとかないで……って、何注入してんの!?」
「フゥ……では、いきます」
「速ぁっ! 明らかに人間の限界越えてるよ! それも未知の薬!?」
「ばんばんば〜ん!」
「ばきゅーん……どかーん……」
「はぁっ!」
「死ぬって! いや、死ぬどころじゃすまないって! いやぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
「……なぁ、一つ訊いていいか?」
「はい、兄君さま。なんなりと」
「家が半壊っつーか全壊してないのが不思議なくらいの壊れ具合で、なおかつ衛の目から生気が一切感じられないというこの状況は、一体どうやって出来上がったんだ?」
「あのねあのね、ヒナたち、衛ねえたまと遊んでたんだよ!」
「とっても楽しかったの……」
「へぇ……そうなんだ……」
あとがき
ついに終了、このシリーズ!
二年も続いたぞ、このシリーズ!
でも5個だけだぞ、このシリーズ!
これでいいのか、このシリーズ!
いいわけねぇだろ、このシリーズ!(死)
というわけで、どうも、カッツォです。
まぁ何と言いますか……はい、以下省略で(殴)
もともとツッコミ不在の状況で書こうとしていた(と思われる)このシリーズですが、後半三作は結局衛がツッコミ役を果たしてしまいました。
あと、なんか妙に春歌の出番が少ないです。
春歌の出番が少ない作品が多い気がしますが、別に春歌がキライなわけじゃありません。
むしろかなり好きです。
いや、ホントですよ?(汗)
短っ! とか、テンポ悪っ! とか色々ありますが、これも以下省略で(滅殺)
下宿も始まるということで、この一作を皮切りに更新ペース上げていきたいと思います。
……上げられたらいいな、と思います(撲)
え〜っと、とりあえず(その他、いろんなことで)ごめんなさい。
感想はもちろん、てめぇふざけんじゃねぇ、というものまで何でもいいので送っていただければ幸いです……
カッツォへの感想はこのアドレスへ
1483sy@hkg.odn.ne.jp
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