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「兄チャマ兄チャマ!」
「ん?」
「今日は四葉の誕生日デス!」
「あぁ、そうだな」
「というわけで、行きたい所があるんデス」
「へぇ……ま、行ける所ならいっしょに行ってやるよ」
「ヤッター!」
「で、どこに行くんだ?」
「悪の組織、カメカメ団のアジトデス!」
「……はい?」


それいけ四葉!

作者:カッツォ


『カメカメ団日みつきち』
 どうにも形容しがたいその建物には、何とも汚い字でそう書かれた看板がかけられていた。
 どうでもいいが、『ひ』の字が間違っとる……
「……で、ここはどこかな?」
「だから、カメカメ団の秘密基地デス!」
「……え〜…100歩譲って、カメカメ団というのがあるとしよう。さらに、ここがそのアジトであることも認めるとする。……で、お前はここに何の用だ?」
「フフフ……正義の血が騒ぐのデス!」
 うわぁ〜……すっげー嫌な予感……
「というわけで兄チャマ、これを着てクダサイ」
「……何だ? そのカメの着ぐるみは」
「カメカメ団正式コスチュームデス!」
「ださっ! カメカメ団、だせぇなオイ!」
 っていうか、どうせなら完璧な着ぐるみにしろ。
 なんで中途半端に顔だけ出てるんだ……
「さぁ兄チャマ、これを!」
「いやだ〜! お嫁にいけなくなる〜!」
「大丈夫! 四葉がもらってあげマス!」
「それも何か違〜う!」



 数分後。
 そこには、2匹のカメが立っていた。
「さぁ、レッツゴーデス!」
「うぅ……結局着せられてしまった……」
 しかし妹に負けるとは……弱ぇな、俺……
「たのも〜、デス!」
 門に向かって、声高らかに叫ぶ四葉。
 すると、中からどことなく森本レオ似の声が聞こえてきた。
「誰、かな?」
「カメカメ団通常戦闘員、No.17デス!」
 迫力ねぇなぁ〜、森本レオ(仮)
 しかしここでは、通常戦闘員は入るのに『たのも〜!』とか言うのか?
「合言葉を言おうね。準備はいいかな?」
「オフコース!」
「馬」
「カバ、デス!」
 やっぱり迫力ねぇな〜、森本(仮)。
 つーか、何だその合言葉は。
 普通、『山、川』とかだろうが。
 いや、似てないこともないが、だからって……
「カマドウマ」
「兄チャマ!」
 ごめん、それは全く意味がわからんわ。
 なに? 俺がカマドウマなのか?
 つーか、兄チャマってなぜ?
 カメカメ団、俺のこと知らねぇはずだろうが。
「よく、わかったね。通っていいよ」
「アイアイサー!」
 あれで合ってんのかよ。
 しかも、よくわかったねって何だ。
 合言葉じゃねぇのかよ。
「さぁ兄チャマ、レッツゴーデス! ……? どうかしたんデスカ?」
「いや、ちょっとツッコミ疲れただけだ……」
「ふ〜ん? とにかく、今度こそレッツゴーデス!」
 何か……もうやだ……



「へぇ〜、中は意外とそれっぽいな」
 これまではかなりの怪しさだったが、中は結構悪の組織っぽい。
 何か色々扉があるし、あちこち妙に機械的だし。
 ……見た目だけで、実際は手動の扉とかみたいだが。
 しかし気になるのは、なぜ俺達がバレないのか、だ。
 俺はともかく、四葉ぐらいの歳の女の子なんていねぇだろ。
 着ぐるみか? この着ぐるみ着てればいいのか?
 つーかこれ、四葉の手作りだろ。
 あちこちツギハギだらけだし、周りのやつらより明らかに不細工だし。
 これでなぜバレない。
 バカか?
 こいつらみんな、バカなのか?
「着いたデス」
「……ん?」
 ボーっと四葉についていってたが、どうやら目的の場所があったらしい。
 その部屋の入り口には、やはりへたっぴな字でプレートがかけられている。
 『ボスの屁屋』、と。
 ……嫌な間違い方すんなよ。
「で、ボスに会いに来たのか?」
「ハイ!」
「ほぅ、そりゃまた何で?」
「………………」
「………………」
「………………」
「……考えてねぇのかよ!」
「ムム、そんなことないデス! 組織をつぶすには、頭蓋骨をつぶすのが一番なのデス!」
 それを言うなら『頭』だ。
「そういやさっきから気になってたんだが、この組織はどんなことをしてるんだ?」
「ん〜……ピンポンダッシュに落書き、植木の枝を切ったり、花にお水をあげたり、道の空き缶を拾ったり……色々デス」
「ショボ! つーか、最後の方いい事じゃねぇか!」
「最終的には、フジテレビ1階のトイレを征服するのが目的デス」
「小っさ! しかも意味がわかんねぇ! 普段の活動関係ねぇし!」
「というわけで、世のためフジテレビのため、カメカメ団は滅ぼさなければいけないのデス!」
「まぁ、確かにフジテレビにとってはそうかもしれんが……」
 いや、たぶん征服されることはないだろうが。
「たのもー、デス!



 その部屋には、向こうを向いて座っている1人の男がいた(当然着ぐるみ着用)
 男が、ゆっくりといすをこちらに向けてくる。
 そしてその声は、あの……
「誰だい? 何の、用なのかな?」
「お前がレオ(仮)かよ!」
「美少女探偵四葉! 悪を滅するため、ただいま参上デス!」
 俺のツッコミは軽く流され、四葉が声高らかにそう叫ぶ。
 森本(仮)は一瞬驚いたようだが、すぐに安心した表情に戻る。
「何だ、通常戦闘員くんか」
「ホンマもんのアホかお前ら!」
 この期に及んでまだ言いやがるか……
「フフ……この完璧な変装を解くを忘れてマシタ……」
 これは、変装じゃなくて仮装だ。
 もしくは変態。
「とうっ!」
「なっ!?」
 掛け声と共に、着ぐるみを脱ぎ捨て……ることはできず、ゆっくりと着ぐるみを脱いでいく四葉。
 背中のファスナーが開かなかったり、足がひっかかったりと、何やら苦労しているらしい。
 森本(仮)は森本(仮)で、驚愕の表情(あんまり変わらないけど)を浮かべたまま微動だにせず固まっている。
「とうっ!」
「なっ!?」
 着ぐるみをきっちりとたたんだ後、再び四葉が叫ぶ。
 そして、森本(仮)も。
 こいつら、バカだ……
「君は……美少女探偵、四葉ちゃん」
「フフ……その通りデス!」
 だからさっきそう名乗ったじゃん。
 しかも、なんで四葉のこと知ってるんだよ。
 そしてなぜちゃん付けなんだ。
 つーか、驚いたのならもうちょっと驚いた声を出してくれ……
「美少女探偵四葉! 悪を滅するため、ただいま参上デス!」
 だから、それはさっきも言ったって。
「観念するデス、カメカメ団! すでに、この基地のいたるところには爆弾が仕掛けられてイマス!」
「そうか……それは仕方がないね」
「おい、マジかよ! いつの間にやったんだ! つーか森本(仮)! お前諦めんの早すぎだろ! もっと頑張れ!」
「にはは、無理無理」
「キャラが変わっとる!」
「兄チャマ、何かを成すためには犠牲がつきものなのデス……」
「遠い目で言うな! つーか、俺犠牲決定かよ!」
「レッツチェキ!」
   ポチッ
「レッツチェキ! ……じゃねぇぇぇぇぇぇ!!!」

 その日、どっかの山奥で大規模な爆発が起こったとか起こらなかったとか。
 なんかもう……どうでもいいっす……










あとがき
どうも、カッツォです。
実は、このあとがきを書いている今は既に22日です(死)
うぅ……だって、パソコンがフリーズしまくったんですもの……(もっと早くにやれよ)
というわけで、これだけちょっと後に掲載しました。
皆様、すみません。
しかし……なんてアホな話なんだ……
自分で書いといて何ですが、意味不明ですな。
何か色々間違ってる気もしますが、お許しを(殴)
え〜っと、とりあえず(いろんなことで)ごめんなさい。
感想はもちろん、てめぇふざけんじゃねぇ! というものまで、何でもいいので送っていただければ幸いです。



カッツォへの感想はこのアドレスへ
1483sy@hkg.odn.ne.jp

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