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それが日常

作者:カッツォ


ある日

「咲耶…」
「お兄様…なんで…?」
 そう言って走り去って行く咲耶。
 必死に涙を堪えていたのは、兄の目から見ても明らかだった。
「まあ女の子と並んで歩いてりゃ誤解も招くか…それにしても……お約束だな」
 何故か余裕でそんなことを呟く兄。
 この後の展開が予想できてしまう所に、かなりの悲しさを感じる。

 数秒後
「お兄様のバカ〜〜〜!!!」
      ドゴッッッ!!
「ぐはぁっ…」
 (推定時速180kmで)戻ってきた咲耶によって兄はお星様になろうとしていた。
「(やっぱりこうなるか…これもある意味お約束だな…)」
 やはり余裕でそんなことを思っている兄。
 既に日常茶飯事なので、慣れてしまったようだ。
 人間こういう風にはなりたくないものである。

 その後も咲耶の連続攻撃をくらい、命の炎が燃え尽きそうになりつつも、何とか状況を咲耶に説明する兄。
 こんな風になってもやはり死ぬのは怖いらしい。

 さらに数秒後
「な〜んだ。たまたま帰りに会っただけのただのクラスメイトだったのね」
「はい…そうです…」
 咲耶に最大限の恐怖を感じつつもなんとか返答する女の子A。
 ちなみに、出番はここだけだ。
「それならそうと早く言ってくれればよかったのに」
「説明する暇なんて無かっただろうが…」
「え? 説明なんて要らない。早く俺達の愛を確かめ合おう、ですって!?」
 まぁ、いつものあれが始まったと思ってください。
「はぁ……」
 最早つっこむ気力すら無い兄。
「こんな所で恥ずかしいわ…でもお兄様となら…」
 最早ツッコミなど受け付けそうに無い咲耶。
「はぁ…」
 帰りどころを見失った少女A。
「はぁ…」
 最早どう収集をつければいいのか分からない作者。
「「「はぁ・・・」」」
「いや〜ん、お兄様!(はぁと)」
 3者の溜息・1名の叫び声と共に、今日も1日が終わっていく…





またある日(昼休み)

 昼休みには屋上でラジオ体操(第二)をすることを習慣とする兄は、今日も屋上に来ていた。
 しかし彼はふと、何かの声を耳にする。
「あれは…咲耶?」
 声のする方に近づいていった兄が目撃したのは咲耶と見知らぬ男。
 そのシチュエーションはほぼ間違いなく…告白。
「す・好きです! 付き合って下さい!」
 男A(仮)は、やはり予想通りの言葉を叫ぶ。
 思わず出て行きそうになるのを必死に抑え、とりあえず見守る兄。
「ダメよ。私はお兄様だけのものなんだから。」
 やはりこちらも予想通りの言葉を返す咲耶。
 少し離れた所で兄は、なぜかホッとしている自分に苦笑いしていた。
「…どうしてもダメですか?」
「(無駄だ。咲耶は何人もの男を玉砕してきたやつだからな。お前程度じゃどうしようもないさ)」
「う〜ん、そうねぇ……どうしてもって言うなら条件があるんだけど?」
「!! 本当ですか!?」
「(!! 何だと!?)」
 予想外の言葉に兄も叫びそうになる。
 が、ここは一応抑えた。
「どんな条件でも呑みます!」
「そお? じゃあねぇ・・・・・」
 息をのむ2人(兄と男A)。
 次の言葉までの時間が、やけに長く感じられる。
「私の技の実験台になってちょうだい♪」
「「は?」」
 思わずハモる兄と男(A)の声。
「それじゃあいくわよ!」
            我流暗殺術  疾風殺
    ズゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!
「ぶぐふぉあ!!!」
 ※あまりに残酷な内容&作者の力不足のため、技の描写は控えさせていただきます

数秒後
 そこにいるのは、無惨な姿になった男とその傍らで佇む少女。
「あ〜あ、やっぱりお兄様以外の男じゃダメね。人を埋めるのって結構大変なんだけどな〜」
「埋めるな〜〜!!! っていうか我流暗殺術ってなんだ!!!」
「あら、お兄様。いたの?」
「はぅ! つい出てきてしまった!」
 悲しきかな、ツッコミ魂。
「ちょうど良かったわ。ちょっと付き合ってね♪」
「な・何を……ってうわぁ〜〜〜〜!!!」
            我流暗殺術  天地連撃滅殺拳
    ドゴグシャベチャバキどろぷにぱにぽにゃ〜ん!!!!
「何だよその効果音・・・・ぐふっ」
 ※あまりに(以下省略)





またまたある日

「お兄様! 咲耶が愛(ラブと読みましょう)のた〜っぷりつまったお弁当を持ってきたわよ!」
「お、今日は咲耶の弁当か。メニューは何だ?」
「謎のお肉と謎の草(材料提供:千影)の野菜炒め(?)よ!」
「またそのパターンかよ!(泣)」
※詳しくは「死へといざないし者」参照のこと





こんな感じで毎日妹の愛によって死にかける兄。
それはこれからもずっと続くであろう。
なぜなら彼女達は兄のことを愛しているから。
そして彼もまた、これからもずっと生き続けるであろう。
なぜなら、彼も妹を愛しているから……かな?




あとがき
結局、ナレーションミスは直りませんでした(死)
短さも相変わらずです。
どうやら私は、咲耶を単品で出すのは苦手なようですね。
こんだけ壊してる割に面白くないとは…
え〜っと、とりあえず(いろんなことで)ごめんなさい。
感想はもちろん、てめぇふざけんじゃねぇ、といものまで何でもいいので送っていただければ幸いです。(ただし、ウイルス等はご勘弁)


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1483sy@hkg.odn.ne.jp

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