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少女達の会話

作者:カッツォ


「はぁ…ヒマねぇ…」
「うん…みんな出かけちゃって、可憐と咲耶ちゃんと鞠絵ちゃんしかいないもんねぇ…」
「…ではお二人さん、編み物なんていかがですか?」
「編み物ねぇ…私、ちょっと苦手なのよ…」
「でも、花穂ちゃんよりは大丈夫じゃない?」
「そりゃあ、あの子よりはね。この間なんて、指が6本ある手袋編んでたし」
「いえ、それはまだマシな方ですよ?」
「「え? そうなの?」」
「はい。だって、途中で3つに分かれてるマフラーとかもありましたし」
「そ・それって逆に器用なんじゃ…」
「そのマフラーって、もう1回編みなおしたの?」
「いえ、千影さんが貰っていきました。ペットに丁度いいそうですよ」
「ペットって…首が3つあるのかしら?」
「それはないよぉ!」
「「「あはははは」」」
「…………」
「…………」
「…………」
「……でも…千影さんならありえますよね…」
「「……うん」」



「咲耶ちゃん、今日は買い物に行かないんだね」
「私だって、いつも買い物に行くわけじゃないわよ」
「でも、かなり頻繁に行ってますよね? お金は大丈夫なんですか?」
「まぁ、見てるだけってことも多いしね。それに、思いっきり値切って買うから」
「へぇ…どのくらいになるの?」
「そうねぇ…だいたい、8〜10割は引いてくれるかしら」
「そ・それって、ほとんどタダじゃないですか」
「どんな風に値切るの?」
「大抵は、私の美貌だけで1,2割は引いてくれるわね」
「それが、どうやったら8〜10割引きになるんですか?」
「例えば…ちょ〜っと10円玉を指で折り曲げながら、『安くしてくれない?』って笑顔で言うとかね」
「へぇ〜」
「あとは、さりげな〜く血のついたドスを見せるのとかも効果的ね」
「なるほど〜そうなんですか」
「それでもダメだったら、たまたま撮っちゃった店員さんの恥ずかし〜い写真を見せるの」
「ふ〜ん。たまたま撮っちゃった写真を使うんだ」
「そう、たまたま撮っちゃったのをね」
「たまたまですね」
「すごいね、咲耶ちゃん。可憐も今度やってみよっと♪」
「犯罪ですけどね」
「「「あはははは」」」
「じゃあ、まずはたまたま恥ずかしい写真を撮ることね」
「たまたま、店員さんの恥ずかしい現場を見なくっちゃね」
「その時は、たまたまカメラを持っていくのも忘れてはいけませんね」
「「「あはははは」」」



「そういえば可憐ちゃん、この前友達が来てたわよ?」
「あぁ、もしかして綾小路君?」
「確か、そんな名前だったと思うわ」
「え〜、あんなの友達じゃないよ。しつこいし…」
「あら、可憐さんにホの字ですか?」
「ダメよ。そう言うときはビシッと言ってやらなきゃ」
「何度も言ったよ。可憐にはお兄ちゃんがいます、って」
「う〜ん…やっぱり、そういうのは元から絶たなきゃダメね」
「うん…可憐もそう思うんだけど、いい方法が思いつかなくって…」
「それなら、いいお薬を紹介しましょうか?」
「ホント? じゃあお願い!」
「わかりました。1発で終わるようなのを用意しときますね」
「ありがとう!」
「それだったら、私も貰っていいかしら?」
「えぇ、もちろんです」
「助かるわ〜。あれって、結構めんどくさいのよね〜。汚れちゃったりするし」
「お役に立てて、わたくしも嬉しいです」
「「ありがとう、鞠絵ちゃん!」」



「そうそう、鞠絵ちゃん。療養所にいた時、隣のベットに女の子がいたでしょ?」
「ひばりちゃんのことでっか?」
「えぇ、そう。あの子、確か鞠絵ちゃんより先に退院したわよね? 今は元気にしてるの?」
「いえ…元気とは言えまへんな…」
「そうなんだ…」
「はい…兄上様に手ぇ出そうとしはりましたんで、つい…」
「わかるよ、その気持ち。可憐だってこの前…」
「あぁ、私にも何回かあるわ」
「きっと、皆ありますやろ。兄上様に寄ってくる女狐は多いですから」
「それも、お兄様の魅力ゆえよね」
「うん。だから、可憐たちが害虫駆除してあげなきゃ」
「そうでんな〜」
「ところで鞠絵ちゃん、いつから関西弁を話すようになったの?」
「うわぁ、すっごい今更なツッコミだね、咲耶ちゃん♪」
「わたくしが関西弁になったんは…13行上からでんな」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…あの…誰かつっこんでくれませんか…?」
「関西弁の眼鏡ッ子…そんなキャラ、いたよね♪」
「いえ、そういうのではなくて…」
「大丈夫よ。鞠絵ちゃんには『病弱』という武器があるもの!」
「いや、だから…」
「「ん?」」
「いえ、何でもないです…」



「はぁ〜。でもやっぱ、お兄様は最高よね〜」
「うん♪ この前なんて、サボテンに話し掛けてたんだよ♪」
「あ、知ってる! 夜中にこっそりやってるんでしょ?」
「そうそう!」
「あれ? そのサボテンって…確か、鈴凛さんが盗聴器を仕掛けてたやつじゃないですか?」
「「え? そうなの?」」
「はい。たぶん間違いないと思います。『これでアニキの弱みはいただきだね!』って、この前言ってたと思いますから」
「へぇ〜、そうなんだ〜」
「鞠絵ちゃん、実はモノマネ上手いわね…」
「それって録音されてるの?」
「はい。『アニキの独り言コレクション』を作っていましたよ。わたくしも時々聞かせてもらってます」
「わ〜! 可憐も今度聞かせてもらお〜っと!」
「私も〜♪」
「ただいま〜」
「あ、お兄ちゃん!」
「お兄様!」
「兄上様!」
「お? 何だ、やけに楽しそうだな。いったい何話してたんだ?」
「うふふ…それは秘密です。ね?」
「「うん!」」
「なんだぁ?………ま、あれだな。仲良きことはいいことかな…ってか?」











あとがき
え〜、このSSはある方にリクエストしていただいたものです。
『ギャグ』という要望はともかく、この3人がイマイチ使い切れてませんね。すみません。
今回は、会話のみのSSにしてみました。
書くほうとしては、べらぼうに書きやすかったです。
ただ、読むほうにしてみれば分かりづいらいことこの上なしでしょうが(爆)
短いですが、まぁ会話のみだったらこんなもんかなぁ…と。
というか、これ以上は無理でした(核爆)
え〜っと、とりあえず(いろんなことで)ごめんさい。
感想はもちろん、てめぇふざけんじゃねぇ! というものまで、何でもいいので送っていただければ幸いです。




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1483sy@hkg.odn.ne.jp

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