俺が持っている紙に書かれた番号、『384』。
たった今張り出された紙には、400の番号が書き記されている。
かつてないほど緊張と不安を抑え、それを1つ1つ順に確認していく。
「376…380…384……384!? あった…あったぁ!!」
それは…つまり…どういうことかと言うと…
「いよっしゃぁ! 合格だぁ!!」
作者:カッツォ
「合格、おめでとう!」×12
「おう! サンキュー!」
電話で先に知らせておいたため、帰った俺を真っ先に迎えてくれたのは全員の笑顔。
『志望校合格おめでとう!』
と書かれた垂れ幕までかけてくれていた。
まぁこの際、
『残念! 人生まだまだこれからさ!』
と書かれたものが、部屋の隅っこの方にあったことには目をつぶろう。
「おめでとうございます! お兄ちゃん!」
「ありがとう、可憐!」
思えば勉強中、可憐の部屋から聞こえてくるピアノで随分心が癒されたもんだ。
ただ…やけに子守唄が多かったのは、わざとなのかい?
そのせいで、どれだけ睡魔が凶暴化したことか…
「おめでとう! お兄ちゃま!」
「ありがとう、花穂!」
そうして眠くなった時には、花穂が紅茶を持ってきてくれたよな。
お約束の塩入り紅茶で、眠気はスッキリさ!
「おめでとうですの! にいさま!」
「ありがとう、白雪!」
眠気といえば、白雪にも世話になったよな。
ウナギ(丸ごと)とかマムシ(丸ごと)とかマグロの目玉(生)とか、いろんな物をいっぱい持ってきてくれて。
白雪特製の味付け(辛+甘+苦+酸)もなかなか効いたぜ。
ただ…3日も眠れないほど、っていうのはちょっとどうかと思うんだ…
「おめでとう…兄くん…」
「ありがとう、千影!」
それでも倒れなかったのは、きっと千影の栄養ドリンクのおかげだろう。
何が入ってたのは知らないが…おかげで元気にいられたよ。
ただまぁ、飲んだ後妙に千影が魅力的に見えたのはなぜだろうね?
「おめでとうございます! 兄上様!」
「ありがとう、鞠絵!」
そうそう、鞠絵もいろんな栄養剤とか持ってきてくれたよな。
ただ、もうちょっと薬の知識は持った方がいいと思うんだ。
『覚せい剤』っていうのは、眠気を覚ます薬じゃないんだよ?
まぁ、その効力もあるけど…もしかしてわざとなのかな?
「おめでとう! あにぃ!」
「ありがとう、衛!」
そうそう、衛といっしょに走ってて体力ついた、っていうのもあるよな。
毎日フルマラソンしてたかいがあったなぁ…
ただ、その時間を勉強に費やした方が有意義だった気もするけどね。
「おめでとう! お兄様!」
疲れた時には、咲耶がマッサージをしてくれたよな。
おかげで大分楽になったよ。
ただ…マッサージの最中に寝ちゃった時、起きたら妙に俺の服が乱れていたのは何故なんだい?
「やったね! おにいたま!」
「兄や、おめでとう…」
「ありがとう! 雛子! 亞里亞!」
お前達は俺の元気の源さ!
でも…なぜか『後ろの正面だぁれ?』(しかも2人だけで)ばっかりやるのはやめてほしかったなぁ…
『つーるとかーめがすーべったー』って…
「おめでとうございます! 兄君さま!」
「ありがとう、春歌!」
春歌のおかげでかなり集中力がついたと思うよ。
飛んでくる矢を避けることを考えれば、勉強なんて楽勝だよな!
「おめでと! アニキ!」
「ありがとう、鈴凛!」
鈴凛も気を遣って、受験前は援助を控えてくれてたっけ。
月に23回・計18万だなんて、お前にしては奇跡だもんな。
「おめでとうデス! 兄チャマ!」
「ありがとう、四葉!」
四葉は、「兄チャマのために入試問題をチェキデス!」とか言って頑張ってくれてたよな。
でも、知ってたかい?
それって犯罪なんだよ?
それとね、『テスト屋さん』なんてものは存在しないと思うんだ。
何回も繰り返される妹からの祝福の言葉。
それは、俺の心に染み渡っていく。
本当に…本当に…
「ありがとう! 俺が合格できたのは、お前達のおかげだぜぃ!」
「本当に、おめでとう!」×12
あとがき
このSSはやまおさん高校合格記念SSです。
ほぼノリだけで書き上げたので、短い&無茶苦茶です。
雛子&亞里亞、それとラストあたりなんて、それがよく出てますね(爆)
さて、やまおさんの他にも受験に成功した皆様。
おめでとうございます!
これからも一層の精進を心がけてくださいね。
そして、惜しくも失敗してしまった方々…
残念ですが、それだけが道ではありません!
最高の道とは、いつも貴方が歩むその先にあるものなのです!
自暴自棄になったりせず、自らの歩む道で頑張ってください!
な〜んて妙に偉そうに語ったところで、今日は失礼させていただきます。
感想はもちろん、てめぇふざけんじゃねぇ! というものまで、何でもいいので送っていただければ幸いです…
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