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霜月天使の憂鬱

B−part

作者:啓-kei-さん

  11月2日、亜里亜さまのお誕生日。
  今日は皆さまが亜里亜さまのお祝いに来てくださるそうです。
  亜里亜さまも、楽しみにしているはずです。
  私は亜里亜さまのお部屋へ続く長い廊下を歩いておりました。
「ぐはっ!」
  と、足に激痛が走りました!
  …て誰ですか、こんなところにネズミ捕りをしかけたのはっ!?

  亜里亜さまのお部屋の前まで来ました。
  控えめにドアをノックし、ドアを開け…

 ジリリリリリ…!!

「なっ!?」

 リリリリリリ…!!

「何ですか、この音はっ!?」
  騒がしいです!
  なんでこんなに大量の目覚まし時計があるのですか!?
  これではさすがに起きていらっしゃると思ったのですが…。
「……ん…」
「寝てるし!?」
  まったく…あなたは何処かの陸上部部長ですか…。
  気持ちよさそうに、シーツにくるまってお休みになっています…。
  私は1つずつ目覚ましを止めていきました。
「亜里亜さま!」
「ん…?」
「起きてください、亜里亜さま!」
「…佐藤…?」
「誰ですかそれっ!?」
  まだ寝ぼけていらっしゃるようですね…。
「今日は皆さんが、亜里亜さまのお誕生日のお祝いに来てくれる日ですよ」
「…タン上美?」
「違います! 誕生日です、早く起きてください!」
「……ぅん」
  亜里亜さまは、ゆっくりと体を起こし、小さな手で眠そうな目をこすっています。
「おはよぉ、鈴木」
「違います! 私はメイドです!」


「……?」
  着替えを済ませた亜里亜さまは妙にそわそわしています。
  なにか周りを気にしているようですが…?
「どうかしたのですか?」
「ここは何処?」
「いや…ご自分の部屋じゃないですか…」
「目覚ましが…いっぱい…」
  あぁ…そういうことですか。
  やっぱり亜里亜さまも気にしていたのですね。
「もうじきジャムを持った人が回収に来ると思いますよ」
「本当…?」
「はい」
  …先程からしきりに窓の外を気にしていますね。
  いつもジャムなど甘いものが大好きな亜里亜さまですが、
  さすがにあのジャムとなると、身に危険を感じたのか、かなり怯えきってます。
「さぁ、朝食の準備ができておりますよ」
「ごはん…!?」



  朝食を食べ終えられた亜里亜さまは、待ちきれない、とばかりに外へ出られました。
  そして庭に咲く、色彩鮮やかな花に目を奪われています。
「萌へぇ…」
「亜里亜さま!?」
  そこへ…
「おはようございます」
「おはよう…亜里亜ちゃん…」
  可憐さまと千影さまがいらっしゃりました。
(ああ、私の亜里亜ちゃん! 今日も一段と可愛いわぁ…。とっても可愛くて、声もキュートで…、あなたの声がキュートなせいで、水○奈々さんのCDを同じ物を2枚も買ってしまったじゃない…)
  可憐さまは…涎がべっとりついた服装をしており、かなり妖しい香りがします…。
(フフ…亜里亜たん…今日もvery cutieだよ)
  千影さまも…どす黒いオーラを発しています…。
「お、おはようございます…」
「わ…」
  お二人がいらしたのがよほどビックリしたのか、亜里亜さまは声を失っています…。
「亜里亜ちゃん、お誕生日おめでとう(はぁはぁ)」
「おめでとう亜里亜ちゃん…(ハァハァ)」
「あ、亜里亜さま…」
「……ありがとうなの…」
  お二人とも、亜里亜さまをみて、不気味に微笑んでいらしゃいます。
「外は寒いので中のほうへ…お入りますか?」
  と、私は邸への入場を促し、歩みかけたところでした、
「っ!」
  何処からともなく吹き矢が飛んできて、私はそのまま倒れてしまいました。
「体が…しびれる…」
「フフ…じいやさんは疲れがたまっているようだね…」
「うふふ…そうみたいですね」
「じいやぁ?」
「さぁ、亜里亜ちゃん…中に入ろうか…」
  しまった!?
  犯人はあいつらかーー!?
  亜里亜さまの身が危ない…けど…段々…と……意識……が………。



「な、なんでこんなところで倒れてるデスか、じいやさん!?」
「はっ!?」
  ここは!?
  …まさか本当にずっとここに放置されていたのですかっ!?

  私はこれまでのことを四葉さまたちに話しました。
「…シーユーデス」
「えっ!?」
  すると四葉さまは走って帰ってしまいました…。
  なぜ?
「とりあえず中に入らない?」
  鈴凛さまに促されて、皆、邸の中に入っていきました。



「あっ…気がつきやがったのですか…?」
「はい! コレは一体どういう事ですか!!」
「働きすぎ…疲労によって倒れてしまったのだよ」
「そんなわけありませんっ!!」
  そ、そんなことより亜里亜さまは…!?
「あっ…」
  何か床にいると感じていましたが、
  そこには亜里亜さま倒れていました。
  亜里亜さまは、なぜか体中汚れています。
  服はところどころ破れてしまっているところもあるようです。
「って、何したんじゃ貴様らっ!!?」
「はい、じいやさん」
「これは?」
  可憐さまが黒い煙の立つ器を渡してくれました。
  これは…お粥です…か?
「…ぁちゃんが作ったんですよ」
「え? 誰が、ですか…?」
「…どうしても作りたいと思ってね…」
「…も手伝ったのですけど…」
「…ん……ぁちゃんが作ったのには変わりないよ…」
「ですから、誰が作ったんですか!?」
  私は誰がお作ったのかわからない粥(?)を、羽交い絞めにされて無理やり食べさせられました。
  不味っ!?
  見た目通り、クソ不味いです…。
  でも…
「やっぱり…不味い!!」
「フム…なんともないのかい?」
「え…」
  そういえば…体が…しびれて…
「って…また…ですか……」



「はぁ〜…そんなことがあったデスか」
「はい、ビックリしたんですの。急にじいやさんが倒れちゃって…」
  後日、その場にいなかった四葉は、皆からその日起こったことを説明してもらいました。
「それから亜里亜ちゃんは全く部屋から出てこないデスか?」
「はいですの」
「たぶん………ここからはボクの口からはちょっと…」
「そういうもの…デスか?」
「…そういうものだよ」
「でも…」

「今日もいい天気ですね、千影ちゃん」
「フフ…そうだね可憐ちゃん」

「…とても仲がよさそうですの」
  満面の笑みを浮かべて手をつなぐ、二人を見て、白雪チャマが言いました。
「…そうデスね」
  その不気味な二人を見て、皆、自然と顔を引きつらせていたデス……。









あとがき

どうも啓-kei-です。
突然ですが、自分で書いてて悲しくなりました…。
どのキャラがどの役割を担っているのかわかりません…。

ギャグを目指しました。
…が、申し訳ありません! 物凄い中途半端です。
いあ、まぁ…僕のSSは全部そういう感じなのが現状ですが…。

こっちは、じいや−四葉ときてます。
しかも、またA・B別けてるし…。…ネタにつまったら使いやすいのですよ…。

各々のキャラの性格やAとかBとかに分けてまでギャグを作ろうとする僕の性格にツッコミどころ満載ですが、厳格な感想・批判があれば何でもいいので送っていただければ嬉しい限りです。


啓-kei-さんへの感想はこのアドレスへ
fairytale@mx91.tiki.ne.jp

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