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長月天使の憂鬱

B−part

作者:啓-kei-さん

可憐は最近とても悩んでいることがあります。
  それは数日前の学校の帰り・・・。


可憐「あれ? 四葉・・・ちゃん?」
  四葉ちゃんは電信柱の後ろで何かゴソゴソしていました。
可憐「・・何をしてるの?」
四葉「チェキ? あっ、可憐ちゃん!?」
  すると四葉ちゃんはとてもおどおどしながら、
四葉「べ、べべ別に何もしてないデスよよ!」
可憐「電信柱の後ろでですか?」
四葉「ぁぅ・・・・」
可憐「ふふふ。大丈夫ですよ四葉ちゃん。可憐にはわかってますから」
四葉「チェキ?」
可憐「四葉ちゃん、朝から下痢気味なんでしょ? だから我慢できなくなって・・・」

 バキッッッッ!!!

四葉「そんなわけないデスっ!!」
可憐「痛〜い! ・・・あ」
  何だろ・・この妙な感覚・・・?
  急に四葉ちゃんがとっても可愛くみえて・・・、
可憐「あっ!?」
四葉「な、何デスか?」
可憐「妖しい香りがします・・・」
四葉「えっ?」
可憐「四葉ちゃん・・可憐、実は四葉ちゃんのこと・・・」
四葉「だーーっ!!! 事件が起こりそうデス!! さ、さよなら可憐ちゃんっ!」
  そう言って、四葉ちゃんは慌てて走っていきました。
  ・・・ちょっと残念。


可憐「最近、四葉ちゃんとあまりお話してないな・・・」
  この頃感じる胸を締め付けるような想い・・・。最近、可憐は四葉ちゃんから避けられている気がします・・・。
可憐、何か嫌われるようなことしたのかな・・?
  でも考えても思い当たる節がありません・・・。可憐はこんなに四葉ちゃんのこと大好きなのに・・・。
  四葉ちゃんへの気持ち。これは皆に対する好きとは違うような気が・・するの・・。
  考えていても仕方がありません。ここは自分から聞いてみないと・・・!!
可憐「明日、皆に相談してみよっと!」



〜翌日〜
(登校中)
可憐「咲耶ちゃん!」
咲耶「か、可憐ちゃん・・・?」
  何か様子がおかしいです・・。何か妙にそわそわしてます。
  咲耶ちゃんのことをじっと見てると・・・やっぱり四葉ちゃんと感じるものが違うわ。
咲耶「どうかしたの?」
可憐「一緒に学校に行きませんか?」
  折角、学校に行くなら一緒に行ったほうがゆっくりお話ができるもんね。
  でも咲耶ちゃんは少し困った顔をして・・。
咲耶「えっと・・・、ごめん! もう友達と待ち合わせしてるの」
可憐「そうですか・・・。なら今日の放課後は・・・」
咲耶「あっ! いたいた! じゃあ、またね可憐ちゃん」
可憐「あっ・・・」
  行ってしまいました・・・。
  でもすぐにこっちを振り向いて、
咲耶「可憐ちゃん・・・何だか今日、雰囲気が違うよね・・・?」
可憐「そうかな?」
  可憐・・何か変わったのかな・・?
  でもだとしたら、それは四葉ちゃんがいるから・・、四葉ちゃんが可憐のことを・・愛して・・
可憐「ウフフフフフフ・・・」
咲耶「か、可憐ちゃんっ! 涎! 涎が垂れてるっ!!」



あっ、あれは・・・。
可憐「花穂ちゃん、春歌ちゃん!」
花穂「あ! 可憐ちゃんだ」
春歌「おはようございます、可憐ちゃん」
  今度こそ可憐の気持ちを聞いてもらわないと・・・。
可憐「あ、あの・・・、今、お時間ありますか?」
春歌「今・・ですか?」
花穂「花穂は大丈夫だよ」
  春歌ちゃんは気味の悪そうな顔をしたのに対して、花穂ちゃんは明るく答えてくれた。
春歌「可憐ちゃん・・お顔に涎の跡がついてますけど・・」
可憐「え?」
  春歌ちゃんがハンカチを取り出して可憐の顔を拭いてくれました。
  あぁ、『涎』って『よだれ』って読むんだ。咲耶ちゃん、何を叫んでるのかわからなかったから。

春歌「ワタクシは、これから稽古場に一度顔を出していこうと思います」
花穂「何で?」
春歌「そろそろ舞のお披露目会がありますので、色々と準備が忙しいみたいなので、少しでもお手伝いでも、と思いまして」
花穂「ふーん・・・」
  何だか春歌ちゃんがしきりに花穂ちゃんの顔を見てる気がするんですけど・・・。
  ま、まさかっ!!
可憐「そういうことだったのね・・・」
春歌「え?」
可憐「大丈夫ですよ。花穂ちゃんは盗りませんよ」
春歌「か、可憐ちゃん?」
可憐「好きなんでしょ? 花穂ちゃんのこと」
春歌「な、何を言っているのですかっ!!」
花穂「そ、そうなの・・?」
春歌「違っ! いや嫌いではないですが・・そ、そんな目で見ないで下さいっ!」
可憐「それじゃ、可憐はお邪魔みたいですから。さようなら」
春歌「ま、待ってくださいっ!!」
  何だ、悩んでるのは可憐だけじゃなかったんですね。
  ちょっと気が楽になりました。



 衛「あっ、可憐ちゃん」
  名前を呼ばれたので振り返ると、衛ちゃんたちが駆け寄ってきてるのがみえました。
鈴凛「オハヨー」
白雪「可憐ちゃんも今から学校行きますの?」
可憐「はい」
 衛「それじゃ、一緒に行こうよ」
可憐「はい!」
  今度こそ可憐の気持ちを聞いてもらわないと・・。皆のほうから誘ってくるなんて・・・恋の神様ありがとう。
鈴凛「そういえば衛ちゃん、アレどうなった?」
 衛「ボクはばっちりだよ。白雪ちゃんは?」
白雪「姫もばっちりですの!」
可憐「あの・・・何の話ですか?」
鈴凛「あっ、聞きたい?」
可憐「はい・・・あっ、もしかして・・・」
 衛「えっ!? もしかしてわかっちゃた?」
可憐「はい。皆さん女の子の日だったんですね!」
鈴凛「ち、ちっがーーうっ!!」
可憐「えっ? でも、『アレ』って代名詞で隠してますし・・・」
鈴凛「そんなこと、ここで話すかっ!」
可憐「・・・残念」
鈴凛「何でがっかりしてるのっ!?」
 衛「ところで鈴凛ちゃんはどうなの?」
鈴凛「えっ!? な、何が!??」
 衛「アレだよアレ」
鈴凛「ま、まだ大丈夫だよっ」
 衛「は?」
鈴凛「あぁ! 可憐ちゃんの話の続きじゃないんだねっ! 私は大丈夫だよっ!!」
白雪「本当ですの?」
鈴凛「そ、それはどっちを疑ってるのっ?」
可憐「・・・・・」
  鈴凛ちゃんったら、照れちゃって・・・可愛い・・。
  はっ!? 違います! 二股じゃないんですっ!!
  可憐の気持ちは・・・。
鈴凛「何で涎垂らしてるの可憐ちゃんっ!!?」



(放課後)
  なんだ・・悩んでるのは可憐だけじゃなかったんですね。
  皆、悩みがあるからギクシャクしてたんですね。
雛子「可憐ちゃん!」
可憐「えっ? 雛子ちゃん?」
亜里亜「・・・亜里亜もいるのぉ」
千影「やぁ・・・可憐ちゃん」
可憐「皆、今帰りなの?」
雛子「うん! そうだよ」
可憐「そうなんだ・・・はっ!?」
  雛子ちゃんと亜里亜ちゃんに・・・千影ちゃん!?
  この組み合わせ・・・も、もしかして・・・千影ちゃんは・・二人のこと・・・
亜里亜「・・大丈夫?」
可憐「えっ!?」
亜里亜「たくさん・・涎が垂れてる・・・」
雛子「ありり? 可憐ちゃんお腹がすいてるの?」
可憐「え・・・ううん、大丈夫ですよ。ごめんね、心配かけて」
雛子「本当に?」
可憐「ええ」
雛子「そっか!」
可憐「・・・・・」
  危ない危ない・・・亜里亜ちゃんたちにはまだ刺激が強すぎるわね・・・。
千影「・・・大丈夫」
可憐「え?」
  今まで黙ってた千影が急に口を開いたから少し驚いたんだけど・・・。
  大丈夫って・・まさか雛子ちゃんたちはもう千影ちゃんの・・・!?
千影「・・・・可憐ちゃん・・・」
可憐「ご、ごめんなさい・・」
  千影ちゃんが物凄い顔で睨むから思わず謝っちゃった・・・けどきっと千影ちゃんはロ・・
千影「・・・・可憐ちゃん・・・」
可憐「ごめんなさい・・」
  千影ちゃんが小刻みに震えてる・・・相当怒ってる・・・?
可憐「あの・・さっきの意味はなんですか?」
千影「・・教えない」
  あらら・・。千影ちゃん怒っていっちゃた・・・。
  大丈夫だよ千影ちゃん、愛は障害があるほど萌えるのよ!


  結局、誰にも相談・・できなかったな。皆、自分のことで精一杯って感じで・・・。
  ・・・お兄ちゃん・・・。
  そういえばお兄ちゃんは・・・、可憐の悩みの種の一つ・・・。そう、お兄ちゃんは可憐の恋のライバル・・。
  四葉ちゃんは絶対に渡さないわ・・・!!


  ・・・あれ?
  あれは四葉ちゃんっ!!・・また電信柱の後ろに隠れてる・・・。
  わかった! 照れてるのね!
可憐「四葉ちゃ〜んっ!!」
四葉「げっ! 可憐チャマ!」
可憐「げ・・?」
四葉「な、なんでもないデスっ! それより早く家に入ってください!」
可憐「何で? 可憐、四葉ちゃんともっとお話したい・・」
四葉「と、とにかく早く可憐チャマの家に入るデス!!」
可憐「は〜い・・」
  四葉ちゃんに促されるがままにに家の戸を開けました。

 パパパーン!!
「「「「お誕生日、おめでとう!!!」」」」

可憐「えっ・・・!?」
  な、なに? クラッカー・・・? それに皆・・・?
 衛「やった! 成功だね」
可憐「え? ええ?」
  雛子ちゃんたちがしきりに喜んでけど・・・。
鈴凛「まだ、わからないの?」
  鈴凛ちゃんがニコニコしながらカレンダーを指差してるけど・・・?
  カレンダー・・・今日は・・・
 衛「もしかして・・自分の誕生日を忘れてたの?」
可憐「あっ・・!?」
咲耶「それで皆で可憐ちゃんを驚かせようと思って・・」
花穂「サプライズパーティだよ」
春歌「皆で考えたんです」
可憐「皆が・・・?」
白雪「姫はお料理をつくったんですの」
鞠絵「食材とお金は可憐ちゃんの家の中にあったものを使わせてもらいました」
可憐「鞠絵ちゃん・・」
 衛「ボクが鍵穴を調べて・・・」
鈴凛「私が合鍵を作ったんだよ」
花穂「・・・・」
春歌「・・・・」
雛子「雛、可憐ちゃんの家の壁に似顔絵描いたよ」
亜里亜「亜里亜も〜・・・」
咲耶「はぁはぁ・・・私はプレゼントを・・・盗ってきたわよ、・・・はい」
  咲耶ちゃん、何だか息が切れてるみたいだけど・・・
  咲耶ちゃんが小汚い大きなダンボールを渡してくれた。
咲耶「はぁ・・開けてみて」
可憐「これは・・・?」
  箱を開けてみると中には・・
四葉「ムゥー!」  
  中にはガムテープで口をふさがれて、縄でグルグル巻きにされた四葉ちゃんが・・・
可憐「四葉ちゃん・・・?」
咲耶「皆からのプレゼント」
四葉「ムゥー!!」
咲耶「ちょっと・・てこずったけど・・」
  皆・・可憐を驚かすために・・可憐の人権を無視して・・
  可憐の恋のために準備をしていてくれたんですね。
  可憐、とっても嬉しくて・・・涎がとまりませんでした・・。
可憐「皆・・・ありがとう・・ございます」

 ヒュ〜〜・・・
 ドーーーン!!

可憐「え?」
  この音は・・・花火!?
鈴凛「もう1つ、私の自信作! 『簡単 花火打ち上げ君』! 自動打ち上げ機能のタイマー付きで時間設定可能!」
 衛「経費はあにぃの財布だよ」
可憐「お兄ちゃんの・・・」

 ドーーーン!!

咲耶「今年は皆で四葉ちゃんをプレゼントしてみたらどうだ?って千影ちゃんが言ったの」
千影「フフ・・・可憐ちゃんが喜ぶと思ってね・・・。ところで・・・」
  千影ちゃんが可憐に小さく耳打ちしました。
千影「その・・・雛子ちゃんたちとのことは・・・黙っていてくれないか・・」
可憐「うふふ・・大丈夫ですよ」
咲耶「ちなみにお兄様は式場の手配にいってくれてるわ」
四葉「ムゥッ!!?」
可憐「ありがとうございます。・・さあ四葉ちゃん」
四葉「ムゥッ!? ムゥーーーーーー・・・」

  皆・・お兄ちゃん・・・ありがとうございます。
  可憐は世界で一番の幸せ者です。









あとがき

はじめまして。啓-kei-といいます。
突然ですが、マイシスは四葉です。
今回は可憐の誕生日記念なのですが、いたるところに出してしまいました。

えっと・・今回のようなメチャクチャな感じは好きなジャンルです。
A‐partのギャグ版なんですが・・・ギャグになりきってません・・・。
まだまだ精進しなければなりませんね・・・。

各々のキャラの性格や僕の文章構成のレベルの低さにツッコミどころ満載ですが、感想・批判があれば何でもいいので送っていただければ嬉しい限りです。


啓-kei-さんへの感想はこのアドレスへ
fairytale@mx91.tiki.ne.jp

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