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長月天使の憂鬱

A−part

作者:啓-kei-さん

可憐は最近とても悩んでいることがあります。
  それは数日前の学校の帰りでも・・・。


可憐「あれ? 四葉・・・ちゃん?」
  四葉ちゃんは電信柱の後ろで何かゴソゴソしていました。
可憐「・・何をしてるの?」
四葉「チェキ? あっ、可憐ちゃん!?」
  すると四葉ちゃんはとてもおどおどしながら、
四葉「べ、べべ別に何もしてないデスよよ!」
可憐「電信柱の後ろでですか?」
四葉「ぁぅ・・・・」
可憐「・・・・?」
  何だろ・・この妙な沈黙・・・?
  すると急に四葉ちゃんは大声を出して、
四葉「あっ、ああ!?」
可憐「な、何?」
四葉「事件の香りがしマス!!」
可憐「えっ?」
四葉「それでは可憐チャマ! シーユーアゲン!!」
  そう言って、四葉ちゃんは慌てて走っていきました。


可憐「最近、皆とあまりお話してないな・・・」
  この頃感じる疎外感・・・。最近、可憐は皆から避けられている気がします・・・。
可憐、何か嫌われるようなことしたのかな・・?
  でも考えても思い当たる節がありません・・・。
可憐「・・・・・よし」
  考えていても仕方がありません。ここは自分から聞いてみないと・・・!!
可憐「明日、皆ときちんとお話してみなくっちゃ・・・!!」



〜翌日〜
(登校中)
可憐「咲耶ちゃん!」
咲耶「か、可憐ちゃん・・・?」
  やっぱり、何か様子がおかしいです・・。何か妙にそわそわしてます。
  咲耶ちゃんのことをじっと見ていると・・。
咲耶「どうかしたの?」
可憐「一緒に学校に行きませんか?」
  折角、学校に行くなら一緒に行ったほうがゆっくりお話ができるもんね。
  でも咲耶ちゃんは少し困った顔をして・・。
咲耶「えっと・・・、ごめん! もう友達と待ち合わせしてるの」
可憐「そうですか・・・。なら今日の放課後は・・・」
咲耶「あっ! いたいた! じゃあ、またね可憐ちゃん」
可憐「あっ・・・」
  行ってしまいました・・・。
  結局、何もお話できなかったな・・・。



あっ、あれは・・・。
可憐「花穂ちゃん、春歌ちゃん!」
花穂「あ! 可憐ちゃんだ」
春歌「おはようございます、可憐ちゃん」
  今度こそお話しないと・・・。
可憐「あ、あの・・・、今、お時間ありますか?」
春歌「今・・ですか?」
花穂「花穂は大丈夫だよ」
  春歌ちゃんは少しばつの悪そうな顔をしたのに対して、花穂ちゃんは明るく答えてくれた。
春歌「ワタクシは、これから稽古場に一度顔を出していこうと思います」
花穂「何で?」
春歌「そろそろ舞のお披露目会がありますので、色々と準備が忙しいみたいなので、少しでもお手伝いでも、と思いまして」
花穂「ふーん・・・」
  何だか春歌ちゃんがしきりに花穂ちゃんの顔を見てる気がするんですけど・・・。
春歌「・・・そういえば花穂ちゃん、朝練があるって・・」
花穂「え? ・・・あっ!!?」
  花穂ちゃんは急に慌てて走って行っちゃった・・・。
春歌「それではワタクシもここで失礼します」
可憐「うん・・」
  何だかドタバタしてて・・・また・・・お話できなかった・・。



 衛「あっ、可憐ちゃん」
  名前を呼ばれたので振り返ると、衛ちゃんたちが駆け寄ってきてるのがみえました。
鈴凛「オハヨー」
白雪「可憐ちゃんも今から学校行きますの?」
可憐「あ、うん・・・」
 衛「それじゃ、一緒に行こうよ」
可憐「えっ・・・はい!」
  やっと、ゆっくりお話ができます。まさか皆のほうから誘ってくるなんて思ってなかったから、少しビックリしちゃった。
鈴凛「そういえば衛ちゃん、アレどうなった?」
 衛「ボクはばっちりだよ。白雪ちゃんは?」
白雪「姫もばっちりですの!」
可憐「あの・・・何の話ですか?」
鈴凛「あっ、こっちの話だから、気にしないで」
 衛「そういう鈴凛ちゃんはどうなの?」
鈴凛「私? 私は大・・丈夫・・」
白雪「本当ですの?」
可憐「・・・・・」
  折角、皆とお話できる機会ができたのに・・・。何だか可憐・・皆の間に入り込む余地がないような気がする・・・。



(放課後)
  ・・なんでだろう。いつの間に皆と可憐の間に溝ができちゃったのかな・・・?
  もう、可憐は皆と仲良くできないのかな・・・?
雛子「可憐ちゃん!」
可憐「えっ? 雛子ちゃん?」
亜里亜「・・・亜里亜もいるのぉ」
千影「やぁ・・・可憐ちゃん」
可憐「皆、今帰りなの?」
雛子「うん! そうだよ」
可憐「そう・・」
  雛子ちゃんたちは明るく話し掛けてくれるけど・・・何だかそれがよそよそしく感じちゃって・・。
  だから可憐、ちょっと憂鬱な気分になってたんだけど・・。
亜里亜「・・大丈夫?」
可憐「えっ!?」
亜里亜「悲しい・・お顔をしてるの・・」
雛子「ありり? 可憐ちゃん元気がないの?」
可憐「え・・・ううん、大丈夫ですよ。ごめんね、心配かけて」
雛子「本当に?」
可憐「ええ」
雛子「そっか!」
可憐「・・・・・」
  亜里亜ちゃんたちに心配かけちゃうなんて・・・。もっとしっかりしないと。
千影「・・・大丈夫」
可憐「え?」
  今まで黙ってた千影が急に口を開いたから少し驚いたんだけど・・・。
千影「・・・そんなに・・心配しなくても大丈夫だよ・・・」
可憐「どういう・・こと?」
千影「フフ・・」
  どういう意味なんだろ・・?


  結局、誰ともまともにお話・・できなかったな。可憐は皆に嫌われてるのかな・・・?
  ・・・そうだ、お兄ちゃん・・・。
  お兄ちゃんなら・・・、可憐の悩みを聞いてくれるかも・・・。でも、お兄ちゃんどこにいるの?
  最近、お兄ちゃん見かけないけど・・・。


  ・・・あれ?
  四葉ちゃん・・また電信柱の後ろに隠れてる・・・。
可憐「四葉ちゃん?」
四葉「あっ! 可憐チャマ大変デス!」
可憐「どうか・・したの?」
四葉「とにかく早く可憐チャマの家に入るデス!!」
可憐「は、はい!」
  四葉ちゃんに促されるがままにに家の戸を開けました。

 パパパーン!!
「「「「お誕生日、おめでとう!!!」」」」

可憐「えっ・・・!?」
  な、なに? クラッカー・・・? それに皆・・・?
 衛「やった! 成功だね」
可憐「え? ええ?」
  雛子ちゃんたちがしきりに喜んでけど・・・。
鈴凛「まだ、わからないの?」
  鈴凛ちゃんがニコニコしながらカレンダーを指差してるけど・・・?
  カレンダー・・・今日は・・・
 衛「もしかして・・自分の誕生日を忘れてたの?」
可憐「あっ・・!?」
咲耶「それで皆で可憐ちゃんを驚かせようと思って・・」
花穂「サプライズパーティだよ」
春歌「皆で考えたんです」
可憐「皆が・・・?」
白雪「姫はお料理をつくったんですの」
鞠絵「私もお手伝いしましたよ」
可憐「鞠絵ちゃん!」
鈴凛「それと私と衛ちゃんで・・」
 衛「飾り付けをしたんだよ」
花穂「花穂は可憐ちゃんをチアで応援するために一生懸命練習したんだよ」
春歌「ワタクシは舞を披露させていただきますわ」
雛子「雛、可憐ちゃんの似顔絵描いたよ」
亜里亜「亜里亜も〜・・・」
咲耶「私はプレゼントを買ってきたわよ、はい」
  咲耶ちゃんが綺麗な紙に包まれた箱を渡してくれた。
咲耶「開けてみて」
可憐「これは・・・?」
  箱を開けてみると中には・・
  オルゴール?
  中から流れてきたのは
可憐「悲愴交響曲・・・?」
咲耶「皆からのプレゼント」
四葉「四葉のチェキによると、可憐チャマの最近のフェイバリットメロディはチャイコフスキーのはずデス!」
  皆・・可憐を驚かすために・・可憐のために準備をしていてくれたんですね。
  それなのに可憐は・・皆のこと疑ったりして・・・。
  可憐、悔しくて、嬉しくて・・・涙がとまりませんでした・・。
可憐「皆・・・ありがとう・・ございます」

 ヒュ〜〜・・・
 ドーーーン!!

可憐「え?」
  この音は・・・花火!?
鈴凛「もう1つ、私の自信作! 『簡単 花火打ち上げ君』」
 衛「あにぃが打ち上げてるんだよ」
可憐「お兄ちゃんが・・・」

 ドーーーン!!

咲耶「今年は皆でパーティをしてみたらどうだ?ってお兄様が言ったの」
鈴凛「自分は裏方に回るからって・・・」
咲耶「ごめんね・・お兄様が一緒のほうが可憐ちゃんも嬉しいと思ったんだけど・・・」
可憐「ううん・・。ありがとうございます。これだけで・・もう・・・いっぱいです」

  皆・・お兄ちゃん・・・ありがとうございます。
  可憐は世界で一番の幸せ者です。









あとがき

はじめまして。啓-kei-といいます。
突然ですが、カッツォさんの大ファンです(///)
カッツォさんに影響されて、色々と書いてることがあるのですが、今回初めて投稿させていただきます。

えっと・・今回のようなジャンルは得意ではないです。
どちらかと言うと、B‐partのような感じのほうが好きです。
B‐partをまだ読んでなければ、ぜひ読んでやってください。

各々のキャラの性格や僕の文章構成のレベルの低さにツッコミどころ満載ですが、感想・批判があれば何でもいいので送っていただければ嬉しい限りです。


啓-kei-さんへの感想はこのアドレスへ
fairytale@mx91.tiki.ne.jp

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